第二百一話
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第二百一話 路上ライブ前日まで
クラウンの七人は練習に励んでいた。それは何時までやるかということを美樹がリーダーの梨花に問うた。
「それで何時までするの?」
「前日までの」
「ライブのなのね」
「そう、それで本番はね」
その時はとだ、梨花は美樹にこう答えた。
「もう練習の時と同じ気持ちでね」
「それでやっていけばいいのね」
「もう意識しなくてもいい位に」
本番ということをというのだ。
「そうしていけばいいのね」
「だから前の日までなのね」
「そう、練習しましょう」
「練習からそのままいくってことね」
「そうそう、つまりはね」
梨花はにこりと笑って美樹に答えた、美樹もそれで納得してだった。
それでこの日も練習をしていた、赤音もドラムを演奏が一段落した、つまり一曲終わったところで春奈に言った。
「やっぱり練習してると」
「それで、よね」
「ええ、その分だけ上手になってるっていうか」
「慣れてくるわね」
「だから練習っていいのね」
赤音はしみじみとしてこうも言った。
「こうしてやっていくと」
「毎日ね」
「継続は力なり」
「そう、何でもよね」
春奈の言葉だ。
「お勉強の方も」
「だから春奈ちゃんもなのね」
「私も?」
「お勉強出来てるのね」
「ううん、何か毎日少しずつでもしていないと」
春奈はその眼鏡をかけた大人しい顔で赤音に答えた。
「怖いから」
「そこから成績が落ちるから」
「そんな気がするから」
「毎日してるのね」
「そうなの」
それで毎日勉強しているというのだ。
「そうしたらね」
「継続になってるのね」
「そうなのかしら」
「それでもやっていってるから」
だからと言う赤音だった。
「春奈ちゃん成績いいのよ」
「そうなるのかしら」
二人はこうした話をした、そうして二人も演奏の練習を続けた。二人も演奏の腕は練習の分だけよくなっていた。
第二百一話 完
2015・1・14
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