第152話
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それをしても閃光が麻生の目を襲う。
(魔術師の攻撃か!?)
能力を使って結界を張る。
次に襲ったのは未知の魔術でもティンダロスの猟犬でもない。
音と衝撃だ。
防御の結界ではなかったので麻生は音と衝撃を受けて濡れた路面に転がる。
すぐさま受け身をとって、何が起こったのか把握しようとする。
そうして前を見る。
さっきの閃光の正体はすぐに分かった。
街の一角で、膨大な閃光が溢れていた。
光の中心点から、無数の翼のようなものが吹き荒れた。
まるで刃のように鋭い、数十もの羽。
一本一本は一〇メートルから一〇〇メートルにも及び、天へ逆らうように高く高く広げられていく。
周囲にはビルがあるが、そんなものを気にしている様子はない。
濡れた紙を引き裂くように、次々とビルが倒壊していった。
人間の作り上げた貧弱な構造物を食い破りながら、翼は悠々と羽ばたく。
世界の主は人間ではないと、言外に語っているかのごとく。
まるで、巨大な水晶でできた孔雀の羽のようだった。
「こいつは・・・・」
麻生は知っている。
かつてミーシャ=クロイツェフと名乗った、あれが現れた時と全く同じ戦慄の気配。
指先一つ動かさずに人類を滅亡させる術式を操り、その片手間で自分を半殺しにした存在。
「天使。
まずい状況になってきたな。」
何故、学園都市に天使が出てくるのかそれを考える。
麻生は自分の中にある天使の情報を思い出す。
そして気がついた。
あの天使は魔術界に存在するとされている天使にどれも当てはまらない事に。
自分で気がついて眉をひそめた。
どうなっている、と思わず呟いた時、ゴッ!!、と。
破壊の一撃が放たれた。
生み出された壮絶な雷光は、蛇のように生物的な動きで学園都市の外へと飛んでいく。
その残像を麻生は追う。
強烈な光が突き刺さった地点は、まるで土地の地下にまんべんなく爆薬が仕掛けてあったように、森と土と木々と人が上空まで舞い上げられた。
数条遅れて、爆音が全身を打つ。
今度は身構えていたので転ぶ事はなかった。
それを見て麻生は思う。
(科学の天使っていった所か。
だが、これからどうする。)
あの天使を止めるには残っている能力使用時間をフルに使わないといけない可能性が高い。
だが、この街にはティンダロスの猟犬を操っている魔術師がいる可能性がある。
この魔術師は未知数。
出来る限り多くの使用時間を残しておきたい。
つまり、両方相手にする事はできない。
やるからにはどちらかを絞らないといけない。
未だに莫大な光を放っている天使を見て麻生は決意する。
(両方を相手にする。)
無茶な決意かと思うが麻生にはちゃんと考えがあった。
あれほどの天使を召喚するためには相当な
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