プロローグ (視点シフト)
後悔 1-(同)
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「 何なのあの子? 」
盤上の様子を見ていた女性は呟く
彼女が監視していたコマが不可解な行動をしていることに気付いたようだ
「 友達が死んだらもっとこう・・・さぁ、落ち込んだりするのが普通じゃない? 」
精神面に特殊効果がついているのだろうか? それなら納得するのだけれど・・・
最近、この神界における「 人生ゲーム 」で頭角を現したこの女性は、周囲から尊敬と嫉妬の念を込めて「 重金さん 」と呼ばれている。理由はいわずともがな
そこで重金さんはピンときた
「 あっ! あぁ〜 なるほど! そういうことだったのね! カラクリがわかってしまえば何でもない事なのですね。 ・・・となると、これ以上監視を続ける必要が無くなってしまいましたねぇ・・・ どうしましょう? 」
迷っているように聞こえるが、表情は自信に満ち溢れ、勝利を確信していることに本人は気付いていない。それもそのはず、最近では「 重金 」の名前で上位プレイヤーに名を連ねる程となった彼女とまともに戦えるプレイヤーなど皆無だったのである。課金の力とはいえ、強いのは事実。
「 ・・・やっちゃいましょうか? 」
物騒極まりない一言である。
確かに、並みの相手なら勢いと感情のままに蹂躙できたはずである。しかしこの人生ゲームというのは奥が深いもので、コマ自身も生きていて独自の思考を持っているのである。自分のコマを強制的に動かすことは出来ず、彼らの思考に任せなければならない部分も多く存在する。それ故に、コマには能力値とスキル、それに性格が存在するのである。プレイヤーに出来るのは外的要因を発生させコマを誘導したり、何かアイテムを配置する事だけなのである。
「 とりあえず私の『 アサシン 』で様子見ですね 」
メニューを開き、アサシンを稼動させる
「 さてさて、楽しませてくれるのかしら? 」
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この女性は確かに強い。強いのだが唯一の失敗があるとするなら、それは
『 神策 』の二つ名で恐れられているプレイヤーの存在を知らなかったことだろう
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