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ルドガーinD×D (改)
二十九話:俺はあと二回変身を残している
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希望は…何だったのだ……」

「主の愛が無い今……何を信じればいいのですか?」


悲しみに打ちひしがれる三人の重たい空気に加えて、コカビエルとの圧倒的な戦力差が
一同の戦意を奪っていく中、一人だけ、戦意が未だに衰えていない者がいた。
その人物の名前は兵藤一誠、今代の赤龍帝。

彼は悲しみにくれる彼女達の前に進み出てコカビエルと彼女たちの間に盾になるように立つ。
そしてキッと力強い目をコカビエルに向ける。そのことにコカビエルは強い関心を抱く。
ここまで徹底的に潰して心が折れない者を見るのは中々いないとコカビエルの中でのイッセーの評価は上がる。


「神がいるとかいないとか俺には正直いって分からねえ。ただな、お前がどんな手を使ってきても俺はお前に勝つことを絶対に諦めない! 力がなくたって、弱くたって俺は絶対に諦めることはしない。手足をもがれたってお前に食らいついてやる!」


イッセーの諦めない心に折れかけていた三人の心が少しだけ持ち直す。一同の心も同様だ。
その様子を見たコカビエルはニヤリと笑う。その笑みは嘲笑などの類ではなく純粋に面白いと思ったものだ。彼が今後成長していけば自分と相対するにふさわしい人間になるのではないかという思いから笑ったのだ。


「アーシア、イリナ、ゼノヴィア。……今だけでいい、今だけでいいんだ。
 今だけでいいから…神の代わりに俺を―――支えにして一緒に戦ってくれ」


その言葉に息をのむ三人。アーシアに至ってはボロボロと涙を流している。
イリナとゼノヴィアも若干目に涙を浮かべてイッセーの力強い背中に見入っている。
コカビエルもまた、その強い精神に感心し同時に―――どこまで耐えられるか試したくなった。

彼が仲間の精神的支えとなるなら、彼を殺せば仲間は崩れる。
だが、それでは面白くない。どうせなら仲間の方から一人ずつ殺していってどこまで彼が堪えられるか見てみたい。そう考えたコカビエルは手に巨大な光弾を創り出す。
まずは、あの子供から殺そう、そう思い手を振る。


「貴様の心がどこまで耐えられるか見せて貰おう、赤龍帝」


「なっ!? 小猫ちゃん!」


コカビエルの放った光弾の先に居たのはこの場で最も幼い塔城小猫だった。
イッセーはすぐさま身を挺して庇いに走り出すが幾分距離がありすぎた。
小猫は突然の事で体が対処出来ずに身動きをとることが出来ない。
せめてもの抵抗として腕で自分の体を抱きしめ目をつむる。
そして、次の瞬間、彼女の周りを光と爆風が包み込んだ。


「小猫ちゃあぁぁぁん!?」


小猫はその声を聞きながら来るべき衝撃と痛みに備える。
しかし、いつまでたっても衝撃も痛みも感じない。
もしかすると自分は痛みも感じずに死んで
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