暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン 蒼藍の剣閃 The Original Stories
ALO編 Running through to take her back in Alfheim
Chapter-12 妖精の世界へ
Story12-1 仮想世界、再び
[1/5]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
第3者side

「フムグ!!」

途方もなく長い落下の末、情けない悲鳴を発しながら
和人/キリトはどことも知れぬ場所に墜落した。


深い草むらに顔を突っ込んだ姿勢で数秒間静止したあと、ゆっくりと仰向けに倒れる。


夜の深い森の中……キリトは、SAOと変わらないスペックの仮想世界を見上げた。

「また…………来ちゃったなぁ…………」



キリトの脳内を様々な疑問や情報が駆け巡る。

オブジェクトの異常表示、謎の空間移動、開始地点が何故森の中なのか。

この世界ではあの世界と違い、HPが0になっても死なないこと、いつでもログアウトできる保証がある……



と考えたところでキリトは不安にかられ、右手の人差し指と中指を揃えて振った。

だが、メニューは出てこない。


キリトは何回か試したところで聞き流したチュートリアルで言われたことを思いだし、左手を振る。

今度は軽快な効果音と共に半透明のメニューが出てきた。


その一番下に《Log Out》のボタン。試しに押してみると、警告メッセージと共にイエス/ノーボタンが現れる。

「あ、あった…………」

そして、安堵のため息をつく。上体を起こし、メニューを眺める。すると、ある異変に気づく。

「うあ…………!?」

ウインドウ最上部にプレイヤー名と種族名、HPとMPがある。

問題はそのあとで、習得スキル欄が8個も埋まっている。
スキルに一貫性はなく、マスターしたスキルまである。


「こ、これって…………」

いくつかの欠損が見られるものの、それらのスキルは《黒の剣士》キリトのステータスだった。

「ここはSAOの中なのか…………?」


さらに気になり、アイテムを見てみる。

「うわ…………」


そこに現れたのは、文字化けの激しいアイテムだった。

スクロールしてみると何がなんだか分からないものばかり。




しかし、キリトの指が不意に止まった。

暖かなライムグリーンに発光するその並びは《MHCP001》

キリトはそのクリスタルを取りだし、人差し指の先でそっと二回叩いた。

すると、クリスタルが光りだし、地上2mのところで静止した。

その光は影を作り、影は長い黒髪に純白のワンピースを纏った少女になった。

「俺だよ…………ユイ、分かるか……?」


「また、会えましたね、パパ!」

大粒の涙を煌めかせながら、両手を差し伸べたユイがキリトの胸に飛び込んだ。

「パパ、パパ!」

この時、キリトは強く感じていた。アスナともきっとまた会える、と。















◇◆
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ