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ファントム・バレット編 〜守り人たち〜
未来永劫ただ一人の仮面ライダー
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、直さなきゃな」
そう言って、ソロは自分の手首を切った。
彼がそうするのは、理由があった。
オーバードウェポンは、凄まじい攻撃力を持つ代わり、回復機能が低下してしまう。
ソロの血には、浴びたものを癒す効果があるのだ。
「はい、ありがとう」
軽くそう言い、ハートはソロの縫われた右目を撫でた。
「ねぇ、私、あんたのココ縫ったかしら?」
「知らなくて、いい・・・・」
ソロはそう言って、眠りについた。
森
ユキは眠りについてから、三時間。
ユキは、そばから聞こえてくる呻き声に目が覚めた。
周囲を見渡して、『本郷』のほうを向く。
「ねぇ、『本郷』さ・・・・」
ユキは戦闘態勢を取った。目の前にいるのは、飛蝗人間。
けれど、気づいてしまった。それは、『本郷』であると。
「『本郷』さん、何ですか・・・?」
「ギシュルルルルル・・・・・・」
『本郷』はすでに、改造人間の枠を超えていたのだ。
改造された体は変異し、それは脳まで達していた。
体に限界がきている。それがその証だった。
「ク、ルゾ・・!!」
数百の怪人達が、周囲を囲み、一世に襲い掛かってくる。
『本郷』はそれを薙ぎ払っていくが、突如、苦しみ始めた。
「『本郷』さんっ!」
「グギュルアアアアア!!!!」
飛蝗男はユキに襲い掛かる。
その攻撃はそれを防ぐ古代障壁を砕き、防御する両腕の肉を抉っていく。
「っ、本郷さん・・・・!」
怪人たちの攻撃が、ユキの身を喰らい、抉り、傷つけていく。
「ああああああああ!!!」
葬炎で焼き払おうとするが、飛蝗男がそれを奪い、自身の体に突き立てた。
「『本郷』さ・・・・何して・・・・」
止めようと動いた、その時。
『EXASシステム
起動
(
スタンバイ
)
』
それが起動してしまった。
「やめろ・・・・よせ、やめろ!!」
でたらめに体が動き、周囲の怪人を薙ぎ払っていく。
そしてついに。飛蝗男の腹部を貫いた。
「あ、あああ・・・・」
錯乱しそうになるユキに、『本郷』が語り掛ける。
「コレ、デ、イイ・・・・」
「何、言って・・・・」
葬炎がまばゆい光を放出し、ユキ達の身を包み込んだ。
「すまないな、辛い思いをさせてしまって」
「『本郷』さん。なんでなんですか・・・・」
ユキは本郷に掴み掛るが、本郷は笑い、ユキの頭を撫でる。
「俺はもう、限界だった。この体が進化しすぎたせいで。鼠が永遠に太り続けて、やがては死んでしまうように」
「それでも・・・・生きることを諦めたら、どうしようもないじゃないですか」
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