マブラヴ
0890話
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無理とは言わないが、そもそも、誘き出しが目的なんだからな」
映像モニタに映し出されるF-4J改の1個小隊4機を見ながらそう告げる。
それに言葉を返すのは、その小隊を率いる崇宰恭子。
崇継と同様に五摂家の1人であり、次期当主候補と目されている恭子が何故ここでBETAを誘き出しているのか。……より正確にはアラビア半島に攻めてくるBETAの前線基地とも言える、イラクのアンバールハイヴでBETAの間引きをしているのかと言えば、こちらもまた斑鳩からの要請だった。
勿論機体性能の差から、シャドウミラーの機体と戦術機が連携行動を取るというのは無理がある。だからこそ、BETAの誘因役と撃破役に分かれている訳だ。
ただでさえ中国の件で日本は忙しいというのに、何故五摂家の人間をこうして俺達の間引きに付き合わせるのかは分からないがな。
まぁ、崇継には崇継の……そして恭子には恭子の考えがあるんだろう。
取りあえず間引き作業であればハイヴ攻略に比べて危険も少ないということで、こうして一緒に活動しているんだが。
そんな風に考えながら、恭子達が向かっている方向に展開している機体へと通信を送る。
「スティング、アウル、これからハイドラ小隊がそっちに要撃級40匹程を連れて行く。歓迎の準備はいいな?」
『ああ、こっちは問題無い』
『って言うかさぁ……40匹とか少なすぎるだろ』
「文句が多いぞ、アウル。この間引きは俺達だけでやっているんじゃないんだから、無理を言うな」
向こうでは、それぞれシャドウ4機とイルメヤ2機の合計6機を配下につけたアウルとスティングの部隊が左右に展開して、近づいてくる恭子の小隊――ハイドラ小隊――を待ち受けている。
今俺が口にしたように、今回の間引きは俺達がメインじゃない。いや、寧ろ俺達の方がお客様であって、本来のメインは中東連合とアフリカ連合の部隊だ。
BETAというのはハイヴで増えていくのだが、その数が一定量を超えると新たなハイヴを作るべく行動を始めるという研究結果が出ている。
それを防ぐ為に必要なのが、定期的にハイヴの近くまで移動して少量ずつのBETAを処分していく、この間引きという作業になる訳だ。
……もっとも、BETAとの戦いを繰り広げている国々は現在の戦線を維持するのがやっとであり、それすらも出来ずにジリジリと防衛線を後退させているというのが現状だった。
おかげで間引きに割く戦力が無く、結果的に新たなハイヴを作り出すべく出撃したBETAをどうにも出来ず、更に防衛線を後退させ……その防衛線を少しでも維持する為に戦力を消耗させ、そうすれば間引きが出来ず。
そんな、負の連鎖とも言える光景が繰り広げていた。
俺達がこの世界で鮮烈なデビューをしたアラビア半島防衛戦に関しても、結局は間引き
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