第一話/再会
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。
でも、彼はもういない。
自分のせいで――――。
それなのに、どうしてなのか。
どうしようもないくらいに心臓が激しく鼓動する。
今更になって『生きている』と知ったような錯覚に陥るほど、心臓は活発に動く。
そして思考を、心を懐かしさと照れと愛おしさが染めていく。
その感覚は忘れかけていた――――恋愛感情だった。
「「なんで――――!?」」
収まった爆風、光。
そしてその発生点に、一人の男性が浮いていた。
丁度雲と海面の間で男性は深呼吸して、戦いの熱を冷ましていた。
白いロングコートに、肩や肘、手の甲を鎧、下は同色のパンツと言うシンプルな服装。
右手には二尺はあろう白い柄をした細身の刀が握られ、左腰にそれを収める鞘があった。
日本人特有の黒い髪を短めに整え、しかし風に靡く程度には伸びていた。
そんな彼の周囲を、細かい魔力の粒子が舞う。
その光景はまさに星屑。
特徴的な光景で、そして懐かしい光景。
感極まるなのはとフェイトは、彼の名を叫んだ。
「翔くん!」
「翔!」
八年が経過して、身長も体つきも、顔も、色んなところが大人になっても、二人は見間違えなかった。
彼を――――相良 翔(さがら しょう)を。
「……なのは、フェイト――――」
彼もまた覚えていた。
八年が経過いて、身長も体つきも、顔も、色んなところが大人になっても、二人を見間違えたりしなかった。
そしていつも見せていた懐かしく、そして愛おしい笑顔を見せて言った。
「――――ただいま」
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