第一話/再会
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出動できる高ランクの魔導師はなのはとフェイトのみ。
副隊長たちは別の任務に出動中なので支援もない。
だが、はやては二人の実力を信じていた。
だから二人はその期待に応えたいと思い、力強く頷いた。
「こちらスターズ1。 あと少しで現場に到着します!」
「ライトニング1、こちらも同じく」
二人は武器を携え、バリアジャケットを身に纏い、雲の上を飛行していた。
いつの間にか見慣れてしまった、雲の地面に青一色の世界。
10年前はこんな光景を夢見て、そして手を伸ばすほど憧れていた。
いつしか当たり前になっていることに、自分たちが年を取っている実感と切なさを感じながら現場に到着した。
雲を突き抜け、たどり着いたのは海岸からまた数キロ離れた海域だった。
青い海がどこまでも広がる中、二人は少し離れたところで空中を飛行するガジェットの大群を目にした。
数として三十を超えており、あまり見ないその大群に驚きを隠せなかった。
「こんな場所にロストロギアがあるのかな?」
なのはの素朴な疑問に対し、フェイトはどうだろ、と前置きしながら答える。
「ロストロギアは色んなところで発見されてきてるし、海底に眠っていたって考えることもできるけど――――」
そこでフェイトは首を左右に振って自らの予想を否定した。
「でも、よく見ればガジェットは飛行型だし、海底に突っ込むとは考えにくいよね」
ガジェットには複数の種類がある。
T型、U型、V型など、それぞれによってその形は異なり、今回現れたのは飛行を目的としたU型だった。
U型はあくまで飛行を目的としているのであって、水中を泳ぐ機体ではない。
そもそも水中にロストロギアがあるのであれば、水中に向いているガジェットの機体がもっとあったはずだ――――と、敵に塩を送るような思考が二人の中で浮かんでしまった。
とにかく二人は原因と正体を知るためにガジェットの大群の下へ向かった……その時だった。
――――ガジェットの大群の中心で巨大な爆発が発生した。
爆発は風船のように膨らんでいき、多くのガジェットを飲み込んでは破壊した。
回避しようとしたガジェットは、爆発の中から伸びた白銀の細い閃光に貫かれて破壊される。
「ロストロギアが何か起こした――――いや、そうじゃない」
「なん、で……」
なのはとフェイトは、爆発が収まるにつれてその色が爆発に起こる黒煙から白銀の光に変わっていくことに気づき、そして目を疑った。
そして二人の脳裏に一人の少年の姿が浮かび上がった。
こんなことをするのはきっと――――いや、どんな世界を巡ったって彼しかいない
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