第一話/再会
[1/3]
[8]前話 [1]次 最後
八年前、彼が少女を庇い、戦い、そして死んだ。
なのはは後悔した。
反省した。
自分を、何度も責めた。
彼の言うことを聞いていれば。
もっとちゃんと動けていれば。
無茶していなければ。
もっと強かったら。
後悔に駆られ、苦しみ、絶望した。
それでも彼女は立ち上がった。
そして選んだのは、夢に真っ直ぐ進むこと。
彼に胸を張っていられるように、強く生きること。
そしてなのはは『教導』という道に進み、自分と同じ後悔をする人を無くすための努力をした。
自己評価で言えば、きっとうまくいっている。
失敗がないわけではない。
だが、友達が助けてくれる。
そうして何度も立ち上がることができたのであれば、今はうまくいっている。
それがなのはの自己評価だった。
――――それでも、八年が経過した今でも彼女は自分自身に、そして失ってしまった大切な彼へ問う。
「私のしていることって、正しいのかな……」
答えてくれる人なんて誰もいない。
いるとしたらそれは……彼しかいない。
だが、それを聞く術は存在しない。
もう二度と、会うことはないのだから――――。
後悔や罪悪感を背負い、それでも前を向いて過ごしているある日。
八年が経過した現在、なのはは十年以上の仲である八神 はやて、フェイト・T・ハラオウンとの約束・夢を果たし、試験的であれど独立の部隊を持つことになった。
古代遺物管理部機動六課。
なのはとフェイトは分部隊を持ち、はやては機動六課の総隊長を務める。
そんな三人が珍しく集合し、そしてはやてが二人にある任務を命じた。
「今、ガジェットの大量出現が確認されたんやけど、空な上にちょっと問題があるんよ」
ナマリの入った口調ではやてはそう言うと、二人はガジェットの出現ではなく“ちょっと問題”の方を気にした。
ガジェットの出現は、機動六課のみならずほぼ全ての部隊が対応する案件。
しかし機動六課はどの部隊よりもガジェットの情報には敏感に動いており、それが機動六課創設の理由にもつながる。
それはさておいて、問題は“ちょっと問題”の方なのは、そこにはガジェットの持つ習性にあった。
ガジェットはロストロギアに強い反応を示し、それが原因で多くの被害を生み出してしまう。
つまり、今回の大量出現もロストロギア…‥それも危険性の高いものが関わっている可能性が高かった。
「新人たちを出動させるんもありやけど、ロストロギアの可能性も考えれば二人に行ってもらったほうが確実で安全やと思う」
ロストロギアの情報は不明。
[8]前話 [1]次 最後
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ