プロローグ/それが一番の後悔で
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今までずっと入院も検査も受けずに過ごしてきたのだって、周りへ心配をかけないためだったのは彼もわかっていた。
だが――――。
「それでも俺は心配だから、お願いだなのは。 後衛にいてくれ」
怯えていたのか、掠れるような声で彼はそういった。
そんな彼の姿を見ることは滅多になく、そしてそこからは否定することが出来ない力があった。
「………無理、しないでね?」
「ははっ……了解!」
彼はそう言って笑顔を見せ、足元に魔力で白い羽を生み出し、力強く蹴り上げて空高く飛んでいった。
そんな彼の背を、二人の少女は切ない思いと共に見つめていた。
それと同時に、空からは季節通りの雪が降り出した。
彼が行って数十分が経過した。
その間、戦況は変わっていった。
彼が単独で未確認兵器を多数撃墜させていき、その姿に部隊の指揮が上昇、一気に殲滅させる動きに出ていた。
後衛で少ないバックアップに出ていたなのは、ヴィータは、彼の帰りを待っていた。
彼が負けた所を見たことはない。
彼は強い、恐らく誰よりも。
だから勝利を信じることは容易だった。
しかし、だからって一人で向かったことを心配しないわけがなかった。
万が一、そんな言葉が存在するからこそ、不安は拭えなかった。
――――彼が戻ってきた。
服は砂ホコリや焦げた跡が残ってたが、彼は生きていた。
いつものように笑顔を見せ、こちらに向かってきた。
二人は安堵し、抱きしめたい欲求に駆られて走り出した。
彼のもとへ一秒でも速く。
そう思ったからだ。
――――彼の表情が突如変わった。
慌てている、驚いている。
そして彼は声を上げた。
「後ろだッ!!!」
なんのことか、理解することに一秒と言う時間を要した。
しかし体はとても従順で、愛する彼の声に勝手に反応し、勝手に行動をとった。
振り向いた二人に迫っていたのは、倒したはずの未確認兵器だった。
なぜ?
そんな疑問の答えを探る余裕もなく、二人は武器を構えた。
数は十機。
普段の二人ならば、なのはであれば問題なく対処できただろう。
「――――え」
呆気を取られたのは、なのはだった。
突如、全身の力が失われたかのように入らず、気づけば前に倒れ掛かっていた。
そして同時に全身に駆け回りだした、激痛。
頭から足のつま先、至るところが悲鳴をあげだした。
武器も握れなくなり、立つ力も失われ、翼を失った彼女は地面に倒れかかった。
その姿に隣にいたヴィータの意識が向いてしまい、そこが隙となってしま
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