暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは トライアングル・マジック
プロローグ/それが一番の後悔で
[2/3]

[1] [9] 最後 最初 [2]次話
今までずっと入院も検査も受けずに過ごしてきたのだって、周りへ心配をかけないためだったのは彼もわかっていた。

 だが――――。

「それでも俺は心配だから、お願いだなのは。 後衛にいてくれ」

 怯えていたのか、掠れるような声で彼はそういった。

 そんな彼の姿を見ることは滅多になく、そしてそこからは否定することが出来ない力があった。

「………無理、しないでね?」

「ははっ……了解!」

 彼はそう言って笑顔を見せ、足元に魔力で白い羽を生み出し、力強く蹴り上げて空高く飛んでいった。

 そんな彼の背を、二人の少女は切ない思いと共に見つめていた。

 それと同時に、空からは季節通りの雪が降り出した。



 彼が行って数十分が経過した。

 その間、戦況は変わっていった。

 彼が単独で未確認兵器を多数撃墜させていき、その姿に部隊の指揮が上昇、一気に殲滅させる動きに出ていた。

 後衛で少ないバックアップに出ていたなのは、ヴィータは、彼の帰りを待っていた。

 彼が負けた所を見たことはない。

 彼は強い、恐らく誰よりも。

 だから勝利を信じることは容易だった。

 しかし、だからって一人で向かったことを心配しないわけがなかった。

 万が一、そんな言葉が存在するからこそ、不安は拭えなかった。

 ――――彼が戻ってきた。

 服は砂ホコリや焦げた跡が残ってたが、彼は生きていた。

 いつものように笑顔を見せ、こちらに向かってきた。

 二人は安堵し、抱きしめたい欲求に駆られて走り出した。

 彼のもとへ一秒でも速く。

 そう思ったからだ。

 ――――彼の表情が突如変わった。

 慌てている、驚いている。

 そして彼は声を上げた。

「後ろだッ!!!」

 なんのことか、理解することに一秒と言う時間を要した。

 しかし体はとても従順で、愛する彼の声に勝手に反応し、勝手に行動をとった。

 振り向いた二人に迫っていたのは、倒したはずの未確認兵器だった。

 なぜ?

 そんな疑問の答えを探る余裕もなく、二人は武器を構えた。

 数は十機。

 普段の二人ならば、なのはであれば問題なく対処できただろう。

「――――え」

 呆気を取られたのは、なのはだった。

 突如、全身の力が失われたかのように入らず、気づけば前に倒れ掛かっていた。

 そして同時に全身に駆け回りだした、激痛。

 頭から足のつま先、至るところが悲鳴をあげだした。

 武器も握れなくなり、立つ力も失われ、翼を失った彼女は地面に倒れかかった。

 その姿に隣にいたヴィータの意識が向いてしまい、そこが隙となってしま
[1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ