暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
SAO
〜絶望と悲哀の小夜曲〜
私の弟
[1/4]
[8]
前話
[1]
次
最後
[2]
次話
六王。
それは、アインクラッド内で最強の六人のプレイヤー。
全プレイヤーの憧れでもあり、力の象徴でもある。
彼らは、常に攻略の最前線に立ち、全体を統括、コントロールしなくてはならない。
そんな六王の中でも、特に異彩を放っているのが、《冥王》である。
その名が人々の耳に入るようになったのは約半年前。
その理由は、あまりにも凄惨なものだった。
PKK
(
プレイヤーキルキラー
)
それが、そのプレイヤーに与えられた名だった。
そのプレイヤーが行ったことは、その名の通りPK、つまりプレイヤーを殺したプレイヤーを殺すこと。
一番最初に殲滅されたのは、下層フロアを根城としていた、しがないオレンジプレイヤーギルドだった。
いつものように弱者プレイヤー達を囲んでいた。
だが、突如現れたプレイヤーがそれを阻んだ。
彼は、瞬間移動と錯覚するほどの高い敏捷値でオレンジプレイヤー達を翻弄し、その刀身の長い短刀で次々とオレンジプレイヤー達の首を切り落としていった。
それは一方的な虐殺だった。
恐慌し、命乞いさえしたプレイヤーでさえ、彼は躊躇いもなく眼前にひざまついている首を撥ね飛ばした。
その、戦闘を通り越した一方的な虐殺は、一週間で軽く三桁を超えるという前代未聞の凄まじい犠牲者を出した。その正確な数は今に至っても定かには分かっていない。しかし、二百人には達しているもう達しているという噂もある。
その一方的な虐殺、そしてオレンジプレイヤー達を一瞬で地獄、冥府に突き落とす様は、いつしか人々から畏怖、尊敬、嫉妬、感嘆、様々な感情からこう呼ばれるようになった。
冥界を統べる王。
《冥王》と。
「ろ、六王がこんなとこをウロウロしてるわけないじゃない!どうせ名前を騙ってビビらせようってコスプレ野郎に決まってる。それに、もし本当に《冥王》だったとしても、この人数でかかればたった一人くらい楽勝だわよ!!」
ロザリアが顔面を蒼白にした後、我に返ったようにヒステリックな声で喚いた。
だが、男達の誰もが蒼白な顔面を力無く左右に振るだけで、その場から一歩も歩こうとはしなかった。
その気持ちは、レンの後方に突っ立っているシリカにも解る。
なにしろ《冥王》の数ある伝説には、数十人の命を一瞬で刈り取ったという話は枚挙に暇がないからだ。
もし本当にレンが《冥王》ならば、たかだか十人ぽっちの犯罪者どもなぞ、居ないも同然のように殺すだろう。
それを知ってか、ロザリアは唇を噛み、どこか壊れたような笑みを浮かべる。
「だ、第一、こんなガキが《冥王》なわけないじゃない!」
その声に勢いづいたように、オレンジプレイヤー達の先頭
[8]
前話
[1]
次
最後
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ