空白期 中学編 05 「考えるなのは」
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誰もいなさそうだし、さっきショウくんのことを口にしたとき嬉しそうに笑ってた。もしかしてだけど……もしかしてだけど……シュテルはショウくんとデートするつもりだったんじゃ。
そう考えると自分の存在が邪魔なのではないかと思ってしまう。ふたりのことが気になるのは気になるが、心が落ち着かないというか苦しさがあるだけにここを離れたいと思った。
「えっと……ふたりの話の邪魔をするのも悪いし、私は別の席に移るよ」
「ん? 別に居ても構いませんよ。聞かれて困るような話をするつもりはありませんから」
「そ、そうなんだ。……じゃあ、居させてもらおうかな」
お客さんも結構入ってるみたいだし、無駄に場所取るのも悪いしね。
言い訳するかのように内心でこの場にいる理由を考えていると、前もって頼んでおいたのか店員がショウくんにアイスコーヒーを持ってきた。彼は一口飲んでからシュテルに話しかける。
「……で話って何だよ?」
「これについてです」
シュテルが取り出したのは、最近改装が終わった遊園地のチケットだった。それをさっとショウくんの目の前に置く。
これは……うん、主観的にも客観的にもシュテルがショウくんを遊園地に行こうって誘ってるよね。……聞かれて困るような話してるじゃん!?
何が私が居ても構わないなの。普通デートに誘うなら余計な人がいないときに誘うよね。私は誰にも口外しないって信用してくれるから居ていいって言ってくれたの。それとも「なのはに知られたところで、私とショウの間には入ってこれませんよ」みたいな余裕の表れ……って、私は何を考えているんだろう。
「実はレヴィと行く約束をしていたのですが、急に仕事が入ってしまいまして。その日はディアーチェも用があるとのことだったので、私の代わりにレヴィと一緒に行ってくれませんか?」
何だそういうことだったんだ……確かにレヴィを1人で行かせるのは心配だもんね。うんうん、納得……って、ショウくんが行くんじゃデートってことだよね!?
レヴィは今も昔と変わらず異性意識のない甘えん坊といった感じの子ではあるけど、体のほうはフェイトちゃんと同じくらい成長している。遊園地でショウくんとレヴィを見た人間はきっとデートだと思う。レヴィの行動を考えると、かなりラブラブなカップルにも見えるかもしれない。
「うーん、まあ最近はこれといって予定もないからいいが……なあシュテル」
「何でしょう?」
「お前、なのはと何を話してたんだ? 何かいつも以上に感情が豊かなんだが……お前、俺が来るまでに」
「否定はしませんが、今日は大してしていませんよ」
何やらショウくん達が小声で話しているけれど、私の耳には一向に入ってきていなかった。私の頭の中は、ショウくんと楽しそうに遊園地を回るレヴィの姿で一杯だっ
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