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ファントム・バレット編 〜守り人たち〜
怪人vs怪人
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ドッドッドッと背中に剣山を刺されたような痛み。
糸が脊髄に絡まり、侵食してきているのがわかる。
「あば、あばあばばばっばばばばばっばばっばばばばばばばばばばあばあばばば!!!!!!?????????!?!?!??!」
「ゆ、き・・・」
ライトがそういうと、クウガがくるりとユキのほうを向いた。
クウガが、ブラックアイが動き出して、ポン、とユキの肩に手を置いた。
無限の虚無の中、彼はユキに話しかけた。
ライトではない。いや、すでにこの世界の人物ではない。
「よう、泣く男だぜ。久しぶりだな、兄弟」
「クライ・・・?なんで?」
「おめぇは今、戦ってんだ。絶対なる
支配者
(
シナリオライター
)
とな。あのクウガがよ、こちらに無理やり俺を連れてきてくれたんだわ。いい子だぜ、変身してる子はよ」
「そうか・・・で、なんでここに?」
「あいつの能力は、善者に凄まじい効果がある。そういう相手に対して、無理やり自分の憎悪を流し込んで操る。それがハートの能力だ」
「じゃあ、どうするか。答えは簡単。コレ、使えよ」
クライが差し出したのは、一本のメモリ。
「これ・・・」
「使えよ。俺は行くからな。あ、そうだ・・・愛の事、よろしく頼むわ・・・」
幻想は消えた。
意識が戻る。四肢は自分の意志と反して、でたらめに動いている。
「こ・・・い」
『ヴァイス!!』
首筋に黒のメモリが突き刺さる。
「あれ・・・究極のメモリじゃん!!」
ユキの肩から二の腕までが黒く染まる。首筋には、黄金と混ざり合った神経が走る。
目は黒目が黄金に。白目が黒に。髪は少し長くなる。
「勝負だ・・・ハート!!」
「言われなくても!!」
オーバードウェポンが展開され、再び薙ぎ払うように動かされる。
葬炎を持ち、少し振る。すると、グラインドブレードの六指が吹き飛んだ。
「なっ!!」
拳を顔面に叩き込む。
「
送火
(
おくりび
)
」
葬炎をエックス字にして、ハートの腹部を、大きく斬った。
「死ね」
もう一回。
「死ね。死ね死ね死ね死ね死ね!!」
繰り返し。沈黙。ハートは何もしゃべらず、クウガも沈黙した。
ユキはライトを担いで、もと来た道を戻り始める。
ただ。ライトはユキの血液で一瞬で回復した。
ライトは自力で立ち上がり、ユキの隣を歩く。
だが、しかし。ドッッッ!!という音と共に、ユキが弾き飛ばされ。
ユキのいたところには、動いていない心臓が残された。
「どうなって・・・・」
「あは。あはははははは!!やってやった!!」
振り向くと。クウガとハートは立ち上がって去って行った。
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