アインクラッド編〜頂に立つ存在〜
第十二話 裏切り騎士
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しかし、その言葉が言い終えることはなかった。なぜなら、アスナが猛然と攻撃を開始したからである。両手剣で応戦するクラディールだが、光の帯を引きながら恐るべき速度で繰り出される剣尖に次々と体を引き裂かれ、貫かれていく。
「ぬぁっ!くぁぁぁっ!」
半ば恐慌を来し、むちゃくちゃに振り回すが、そのような剣が当たるはずもなく、アスナの手によってHPが危険ゾーンに突入した。
とうとうクラディールは剣を投げ出し、両手を上げ地面に這いつくばった。
「わ、解った!!わかったよ!!俺が悪かった!!も、もうギルドは辞める!あんたらの前にも表れねぇよ!!だ、だから・・・」
クラディールの甲高い叫び声が響く中アスナは細剣を逆手に持ち替え、土下座するクラディールにつきたてようとするが、その切っ先は障壁にぶつかったかのごとく停まり、アスナの細い体は激しくふるえていた。しかし、そんな状態のアスナを見たクラディールは剣を握り直し、奇声と共にアスナに斬りかかろうとしていた。それに気づいたルナはできる限り声で叫ぶ。
「アスナッ!!」
「っ!!あ・・・・・っ!?」
「アアアア甘ぇ――――――んだよ副団長様アアアアアアア!!」
狂気じみた絶叫と共にクラディールは何のためらいもなく剣を振り下そうとしたが、突然側面から剣を握る腕をつかまれ、振り下すことはかなわなかった。
「そのへんにしといたら?」
クラディールの腕をつかんだ乱入者は、そう言うなり掴んだ腕を突き飛ばした。その勢いで後退せざるを得ないクラディール。倒れはしなかったものの体勢を崩されるが、即座に立て直しながら乱入者のほうを確認したところで驚愕した。
「な、なンでテメェがここにいやがるんだよォ!?」
クラディールは乱入者であるソレイユに向かってどなりつけるが、ソレイユは意に介した様子もない。
「・・・・・また、ずいぶん派手にやってんな」
周りの状況を確認した後、溜息をつきながら、やれやれ、というように首を振っている。
クラディールはそんなことをしているソレイユに苛立ち、さらにアスナを殺すのを邪魔されたことによる怒りに任せて叫んだ。
「テ、テメェ・・・いったい何がしてぇんだよっ!!」
「何がしたいといわれてもねぇ・・・、特に何かしたいってわけじゃないんだけどね」
おちょくっているとしか言えないソレイユの物言いに沸点の低いクラディールが斬りかかろうとするが、ソレイユは構わずに言葉をつづけた。
「ぶっちゃければ、お前がどこで何をしようと知ったこっちゃないんだよ。人を殺したいなら殺せばいいさ、誰かをいたぶりたいんならいたぶればいいさ。何をしようがお前の自由なんだからな」
ソレイユの言葉に眉をひそめるキリトとアスナだが、ルナはたいした反応
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