第4部 誓約の水精霊
第4章 惚れ薬
[8/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
シーを見つめた。
「いくらだ?」
「え?」
「いくら必要なんだ?」
「えーっと……、七百エキューくらい」
その値段を聞いて、ギーシュは驚いた。
「そ、そんなに高いのか……」
ウルキオラは、部屋の中に戻ると、机の上にあった、アンリエッタから貰った金貨の入った巾着袋を手に取った。
そして、それをモンモランシーに渡す。
「これで足りるか?」
モンモランシーは巾着袋の紐を緩める。
中を見て、驚く。
「えっ!なんでこんなにお金を持ってるの?」
それを見たギーシュも驚いたようだ。
「すごいじゃないか!二千エキューはあるんじゃないか!」
「出所は聞くな。いいか、これで秘薬とやらを買って、明日までに何とかしろ」
モンモランシーは、わかったわ、と呟くと、ギーシュと一緒にその場を去った。
翌朝の夕方、ウルキオラはモンモランシーの部屋で椅子に座り、溜息をついた。
ぐずるルイズをなんとか部屋に残し、ここまでやってきたが……。
「解除薬が作れないだと?」
ウルキオラはモンモランシーを睨んだ。
隣では、ギーシュが何とかウルキオラを宥めようと必死である。
モンモランシーとギーシュは本日街に出て、闇屋に向かい、解除薬の調合に必要な秘薬を探したのだが……。
「しょ、しょうがないじゃない…売り切れだったのよ…」
モンモランシーはウルキオラの目を見ずに答えた。
見たら死んでしまうと思ったのだ。
「いつになったら手に入る?」
「それが……、どうやらもう、入荷が絶望的なのよ…」
「なんだと?」
「その秘薬ってのは、ガリアとの国境にあるラグドリアン湖に住んでいる、水の精霊の涙なんだけど……、その水の精霊たちと、最近連絡が取れなくなっちゃったらしいの」
ウルキオラはすくっと立ち上がった。
「モンモン、昨日俺が言ったことを覚えているか?」
「…明日までに…なんとかしろ…よね」
モンモランシーは頭を垂れて言った。
「そうだ。だが、お前はそれが出来なかった…つまり、だ…」
ウルキオラは、腰に差してある斬魄刀に手を掛けた。
それを見たギーシュが、何とか宥める。
「ちょ、ちょっと待ってくれ。ウルキオラ」
ウルキオラは答えない。
モンモランシーは、壁際へと後じ去る。
「まだ…まだ、可能性はある!」
ギーシュの言葉に、ウルキオラの手が止まった。
「どういう意味だ?」
「こちらがラグドリアン湖に行くのだ。水の精霊は滅多に人間に姿を見せないが、ゼロではない」
ウルキオラは、少し考えた後、刀身が半分ほど露出していた斬魄刀を、鞘に納めた。
「なるほ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ