第4部 誓約の水精霊
第4章 惚れ薬
[7/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
「私、色気ないんだもん。知ってるもん。だから、横で寝ててもウルキオラは何もしないんだもん。そんなの許せないんだもん」
ルイズは泣きそうな声でまくしたてた。
「心配するな。お前に色気がおろうがなかろうが、なにもしない」
「それはダメ…」
ルイズはシャツの裾を引っ張って、前を隠して立ち上がった。
細いルイズの生足が目に飛び込んでくる。
ルイズはウルキオラの胸の中に飛び込んできた。
髪からは部屋に充満する匂いと同じ甘い香りがする。
いつもはつけない香水を、体に振りかけているらしい。
ウルキオラの服に顔を埋めて、ルイズはひくひくと震えた。
「すっごく寂しかったんだから……、ばかぁ……」
ウルキオラは目を細めた。
今のルイズは、俺の知っているルイズではない。
惚れ薬で、自分を失っている状態だ。
ウルキオラはルイズの目を覗き込んで、言った。
「ルイズ」
「ウルキオラ……」
「お前は薬でおかしくなっている」
「くすり……?」
潤んだ瞳で、ルイズはウルキオラを見上げる。
「そうだ」
「薬のせいなんかじゃないもん」
ルイズはまっすぐにウルキオラを見つめた。
「とにかく今日はもう寝ろ」
ルイズは首を振った。
「ぎゅってして?じゃないと寝ない」
「したら、寝るか?」
ルイズは頷いた。
ウルキオラはルイズをベッドに運んでやった。
寄り添うように、隣に寝転ぶ。
ルイズはいつものようにギュッとしがみついてくる。
「どこにも行かないで。他の女の子見ないで。私だけを見て」
呪文のように、そう繰り返した。
「ここにいる」
「ほんと?」
「ああ。だから寝ろ」
「うん……。ウルキオラが寝ろって言うんなら寝る。だって、嫌われたくないもん」
隣では、ルイズが可愛らしい寝息を立てて寝ていた。
ウルキオラはルイズを起こさぬように、ベッドから起き上がると、椅子に腰かける。
本を読もうと、手に取った瞬間、扉を叩く音が聞こえた。
ウルキオラは本を机の上に置き、ドアを開いた。
そこには、ギーシュとモンモランシーが立っていた。
「解除薬は?」
ウルキオラの言葉に、二人は顔を見合わせると、申し訳なさそうにギーシュが口を開いた。
「やや、そのことで相談が……」
ギーシュは事の次第を話した。
「解除薬を作るには秘薬が必要なのだが……」
「なら使え」
「いや、それがなくて……」
「なら買え」
「そのー、お金がなくて……」
ウルキオラは溜息をついた。
「使えない奴らだ」
そう言った後、モンモラン
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ