第4部 誓約の水精霊
第4章 惚れ薬
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着られ気がしない。
ウルキオラは机の上にそれを置いた。
ルイズはそんなウルキオラの膝に乗って、ぎゅっと抱きしめた。
「どうした?」
「ぎゅーってして」
と、ルイズがウルキオラにねだってきた。
ウルキオラはルイズの頭の後ろに手を回して、自分の胸に引き寄せた。
「あっ…」
ルイズの息が漏れる。
ルイズはお気に入りのぬいぐるみを抱える少女のようにウルキオラを抱きすくめた。
「授業が始まるぞ?」
「いいの。サボる。こうしていたいの」
ますます疑問に思った。
基本的に真面目なルイズは授業をさぼったはしない。
「ずっと今日はこうしてる。だって、あんたを外に出したら他の女の子と仲良くしちゃうもん。それは嫌なの」
どうやら、ウルキオラをこうやって縛っておきたいらしい。
プライドの高いルイズが、そんなことを言うなんて。
よしんばそう思ったとしても、口に出すなんてルイズに限ってありえない。
「なんかお話して」
甘えた口調でルイズが呟く。
ウルキオラは、頭の中がはてなマークでいっぱいになっていた。
仕方なく、自らの生い立ちを語り始めた。
昼過ぎになると、ルイズは寝入ってしまった。
本当にグーグー寝る女である。
今まで誰にも話したことのない話をした。
昔なら話そうとも思わなかった話だ。
ウルキオラはルイズをベッドに寝かすと、ドアに向かって歩き始めた。
こっそり部屋を出た。
ルイズの分の飯をもってこようと思ったのだ。
厨房でいそいそと昼食の支度をしていたシエスタに事の次第を説明すると、シエスタはにっこりとほほ笑んだ。
「モテモテですね」
「いや、違う。様子がおかしいんだ」
ウルキオラが困ったようにそう言うと、シエスタは笑みを崩さずにウルキオラの横に座った。
「ほんと?」
「ああ」
そんな風に話していると、ウルキオラの中に一つの仮説が浮かび上がった。
「人を…心を惑わす薬のようなものはあるか?」
シエスタは真顔になると、考え込み始めた。
「そういえば、心をどうにかしてしまう魔法の薬があるって聞いたことがありますけど……」
「魔法の薬?」
「そうです。私はメイジじゃないからよくわかりませんけど、もしかしたらそれかもしれません」
ウルキオラは昨晩のことを思い出した。
ルイズの態度ががらっと変わったのは、確か……。
そういえば、あの時何かを飲み干していた。
テーブルの上にあったワイン…あれか?
ウルキオラの中で、ギーシュの目の前にあったワインに対しての疑念が膨れ上がった。
「手掛かりが掴めた」
「
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