プロローグ (視点シフト)
悩ましき日々 3-(同)
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ざわざわ・・・
・・・ざわ・・
「 うわー 地面がえぐれてるぅ! 」
「 っていうか刺さってるわね 」
なんとか課題を終わらせて大学に戻ってきた2人は、事故現場(・・・・)にいる無数の取り巻きの中にいた
「 ・・・なんか、鉄骨が降ってきたらしいよ 」
「 そうね 」
「 当たったらペッチャンコになっちゃうねww 」
「 鉄骨が直撃した生徒がいたみたいね 」
「 ・・・え? 」
「 結の言ったとおり、ペッチャンコになった人間がいるって事 」
「 ・・・ 」
結は自分の軽はずみな発言を申し訳なく思ったようで、そのまま口をつぐんでしまった
「 気にすることないわ。鉄骨なんかに当たる方が悪いのよ 」
「 ・・・で、でもっ! 」
「 結が反省したところで、死んだ人が生き返ったりしないわ。私たちに出来るのは、亡くなった人の冥福を祈る事だけよ 」
「 ・・うん・・・そうだね 」
「 それに、何でかしらね? 」
「 確かに、鉄骨なんて大きなものが落ちてくるのに、それに気づかなかったなんて 」
「 それもそうだけど・・・ 」
「 他にも何かあるの? 」
「 いや、なんでもないわ 」
「 ランちゃん教えてよ〜 」
「 ・・・そんなことより、こんな事故があったんじゃ今日の講義は中止でしょうね 」
「 え? そうなの? 」
「 『 生徒が死んでも講義を続行する大学 』って汚名がついたら来年ここを受験する高校生が減っちゃうかもしれないじゃない。・・・まぁ、逆に『 だからこそっ! 』っていう変人は集まりそうだけどね 」
「 たしかに・・・ 」
「 それに、私の人生を顔も知らない誰かが死んだくらいで邪魔されたくないしね 」
「 やっぱり、ランちゃんって変わってるよね 」
「 そう? それは褒め言葉として受け取ってもいいのかしら? 」
「 うん 」
その言葉は本心だった
ニュースを見ていても毎日のように日本のどこかで殺人は起きているし、海外なんて未だに戦争中の国もある。同じ大学だろうが、海外だろうが、私と関わりの無い人間ってことでひとくくりにしてしまえば、目の前で誰が死のうが生きようが関係ない
この感性や考え方を他人に押し付けるわけではないが、他人から否定されるのも不愉快極まりない。だから私は他人と話すのが苦手なんだと思う。その人間の矛盾が見えてしまうから。そのことを相手に伝えて不愉快にさせてしまうから。
だから最初は結が私に話しかけた理由が分からなかった。学年でも明らかに浮いていたし、詳しくは知らないが、根も葉もない噂もあっただろう。女は男に媚び、男は女に誇張した
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