プロローグ
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分かっている。そんなものは、これから魔女になった自分自身が何度も何度も体現する事だ。
いや、今までも・・・そうだった。
周りの皆を傷つけ呪った。偶然電車に居合わせただけのホストを八つ当たりで何となく××した。
何となくで人間を××した。
「始めから・・・今までだってそうだった。そして、これからの・・私も・・・」
私は始めから怪物だったのだ。
それを理性や容姿やらで擬態していただけ。
・・・いつか魔女になるのなら、自分の本性も同じものに過ぎないのだ。
「だから・・どうでもいいでしょ?ほっておいてよ」
魔女を求めて街を徘徊し、気が付けば殺戮に没頭した。
正義の為、人の為、世界の為。そんなメッキはもう剥げ落ちた。
アタシの様な怪物は、いつかこうして化けの皮を剥がすのだから。
だって、アタシの様な奴はこの世界に居ない方が良いのだから。
「・・・・・・ハ」
なのにソレは笑った。
心底可笑しいと。
心底憎らしいと。
刻一刻と醜い怪物に変わって行く彼女を半端者と蔑むように。
「だから、そこが違うんだ。いいかい、怪物は本能でモノを殺すんじゃない。
ソレは優れた理性でモノを殺すんだ。人の手に有り余る性能を総動員して、
何の疑いも無く、何の悲しみも無く、身悶えるほどの喜びを持って殺し続けるのが怪物だ。
ただ何となくで人間を殺すだなんて、そんなのは違う生き物なんだよ。
アンタは、まだどっちにもなれない半端者みたいだけど。同時にどちらにも傾ける猶予がある」
もう諦めていた理性が、少しだけ目を覚ます。
まだ、魔法少女で居たいと・・・魔女になりたくないと。
「・・・それは・・どういう」
「分からないか?獲物を求めたアンタと、他のものが気になるアンタ。
それはどちらも真実だ。どっちも否定は出来ないだろ。欲望に優劣なんざ無い。
どっちが大きいか、どっちが大切なのかはその場その場で変わるものだ。
肝心なのは・・・アンタが、まだ持っているかどうかの話」
「・・・なにを・・・?」
精一杯の理性を動員し、ソレの言葉に耳を傾けた。
だが、どう足掻いても魔女化は止められない。
その足掻きを・・末路を、ソレは笑いながら見下ろして
「・・・では問おう、美樹さやか。アンタは、その心に望むものが、まだ欠片でも残っているか」
・・・望むものなど無い。いや、あったがそれは叶えた。
けれど、強く想う事があった。
鹿目まどか。優しくていつも魔法少女になったアタシを支えようとしてくれた親友。
そんな親友に酷い言葉を投げつけ、何度も傷つ
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