二十八話:諦めたらそこで終わりだぞ?
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緒に居ない前の僕だったら無理だと思ったと思う。でも……今は違う、むしろ出来ないわけがないと思っている。どうしてそんなことを思えるかだって?
簡単さ、だって僕はみんなの―――“生きた証”だから!
みんなの生きた人生が、想いが、聖剣如きに負けるわけがない!
一気に加速してフリードに近づく、フリードも敢えて避けずに真正面から受け止めに来る。
エクスカリバーが負けるわけがないという自信からだろう。
でも僕はその幻想を木端微塵に―――壊す!
真正面からぶつかり合う僕達、辺り一面に響き渡る激しい金属音。
次の瞬間、その音は剣士であれば聞きたくない刃の折れる音に変わる。
そして跡形もなく折れた剣は―――
「ありがとう、みんな。……みんなと一緒に生きてこられて…僕は本当によかった」
―――フリードの持つエクスカリバーだった。
「おいおい、まじっすか!? エクスカリバーが折れちゃうとかどんな冗談だよ………と言うかこの状況っておれっちやばくない? てなわけでエスケープしまあす!」
いつものように閃光弾を取り出して目くらましをするフリード。
僕はそれを止めようともしない、正直言ってフリードなんてどうでもいい。
今、僕がやらないといけないことは一つだ、バルパー・ガリレイを滅ぼす!
「ば、馬鹿な!? そんなことがあり得るわけがない! 聖と魔、二つの相反する力が混ざり合うことなどあり得な―――」
「サヨナラだよ、バルパー・ガリレイ」
何やら叫んでいるバルパーに一気に詰め寄り、聖魔剣でその喉を切り裂く。
赤い血しぶきを上げて崩れ落ちていくバルパー・ガリレイを見ても何の感慨もわかなかった。
当然だろう、僕は復讐の為に殺したんじゃないんだから。
第二、第三の悲劇を繰り返さない為に殺したんだ。
以前の僕とは違う……それに、本当の勝負はこれからだからね。
剣を振るって血を払いながら今までで最強の敵を睨みつける。
堕天使の幹部コカビエル、ルドガー君と同じ骸殻を使うリドウ。
一筋縄でいかないどころか、勝てる見込みが全くないと言っても過言じゃない相手だ。
でも…だからと言って諦めるわけにはいかない。
勝利の女神は諦めない者にしか微笑まないのだから。
「バルパーを殺したか……まあいい。どうせ消しても問題のない奴だったからな。それに……お前のやりたいと言っていた術式はエクスカリバーと同時に完成したのだろう、リドウ」
「ああ、この町全体をぱーっとブッ飛ばす予定だったけど、その十倍位の強さにしておいたぜ。
花火はデカい方がいいだろう?」
「違いないな」
酷く愉快気に、まるで日常の雑談でもするかのように話し合うコカビエルとリドウ。
何だって
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