二十八話:諦めたらそこで終わりだぞ?
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そんなことにはならない。だって……みんなと一緒にいるから。
歌っていると何か暖かい物が心に染みわたっていくように感じる。
これが何なのかが僕には分かる、これはみんなだ。僕の為にずっと一緒に居てくれるんだ。
『いい? 何があっても、これだけは忘れないでね』
『そんなちっぽけな塊なんてなんの意味もないし必要ないんだよ、だって―――』
『君が僕達の―――』
『――“生きた証”だから――』
「ありがとう……みんな…っ!」
歌を歌い終わると同時に全ての光が僕の体に纏われていく。
そしてすぐに光が―――みんなが僕の中に溶ける様に入っていく。
これでずっと……僕達は一緒だ。一人じゃないんだ、聖剣に負けることなんかもないんだ。
もう、怒りも憎しみも悲しみもない。ただ、やらなければならないことをするだけだ。
僕は目を閉じてスゥーと息を吸いこみ、そして息を吐き出す。
そして目を開けてバルパーを睨みつける。
今から行うのは復讐じゃない、僕の果たすべき使命だ!
「………バルパー・ガリレイ。貴方はこれからも人を傷つけ、殺すだろう。
僕は第二、第三の悲劇を繰り返さない為に今ここで―――貴方を、滅ぼす!」
「黙れ! フリード、新しいエクスカリバーを使って奴を殺せ!」
「はいはい、ようやく僕ちんの出番ですねえ! 長ったらしい喜劇にも飽きてきたんですよねえ!」
僕は魔剣を創り出しバルパーを静かに睨みつける。
そんな僕に対してバルパーはフリードに指示を出す。フリードは待ってました、とでも言うように嬉々としてエクスカリバーを手に取る。
例え本物のエクスカリバーを合成させたものだとしてもそんな物は僕には通用しない。
剣を構え、みんなに祈る。みんな……僕に力を貸してくれ。
一緒に越えよう、あの時を……叶えることの出来なかった聖剣を―――越えよう!
『魔剣創造禁手化』
魔剣が白と黒のオーラに覆われていき、魔剣の形状が変化していく。
そして、全ての変化が終わった後には僕の手には一本の白と黒の剣が握られていた。
分かる……これは聖と魔が融合した力、みんなで聖剣を受け入れた証。
僕は剣を―――聖魔剣をフリードに突き付け言い放つ。
「『双覇の聖魔剣』……聖と魔を司るこの剣を受けてみるがいい!」
「あっひゃっひゃっ! 何だか知らないけどおんもしろそー!」
「祐斗…まだ敵は居るわ。それもあいつより遥かに強いのが。
だから―――一撃で決めてきなさい!」
「はい!」
一撃で決めてこいという部長の命令に思わず笑みが零れる。以前の…“みんな”と一
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