二十八話:諦めたらそこで終わりだぞ?
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ないことをよく表していた。
そして、攻撃を避けきったリドウが地面に着地すると同時に二つの影が突進してきた。
イッセーと祐斗である。
「おらぁっ!」
「はあああっ!」
「やれやれ、そんな見え見えの攻撃なんて食らうかよ」
リドウは軽く欠伸をしながら二人の気迫のこもった剣と拳をしゃがんで躱す。そして、その状態から腕を支えとしてカポエラの技のような回転蹴りを放ち祐斗とイッセーを吹き飛ばす。吹き飛ばされた二人が急いで治療にやってきたアーシアに起こされるのを見ながらリドウは骸殻を解く。
遊びは終了したのだ。そしてここからは新たなお遊びが始まる。
相手を精神的に揺さぶる、お遊びだ。
「さてと……こんなものか。そういえばルドガー君はどうしたんだ? 一緒に来ていないのか?
ああ、もしかしたら君達を見捨てて逃げ出したのかもな」
「ルドガーがそんなことするわけねえだろ!」
「いいねえ、熱い友情だね、赤龍帝君。でも、お前達はルドガー君の本性を知らないだろ?」
「ルドガーの……本性?」
その言葉に動揺するグレモリー眷属達を見てリドウは心底愉快な気分になる。
ユリウスの隠していたことをルドガーにばらすのも心底面白かった。自分の嫌いな人間の苦しんでいる顔が同時に見られるのだから面白くないわけがなかった。
それに俺は真実を教えてやっているだけだ。何も嘘はついていない。
正し、どういった理由でやったのか、までは教える必要はないと思っているけどな。
そう考え、リドウはクツクツと笑う。
その笑いを聞いたグレモリー眷属が嫌悪感を隠すことなく睨みつけてくるがリドウにとってはまるで気にならない。慣れたものだとさえ思いながらたっぷりと含みをつけて口を開く。
「ルドガー君はさあ、自分の欲望の為に平気で―――罪のない人を殺してきた人間なんだよ」
「うそだっ!」
リドウの言葉を腹の底から声を出して否定するイッセー。だが、その声には僅かばかりの震えも入っていた。そしてそこを見逃すリドウではない。ニヤリと笑いこのぐらいの情報の方が想像の余地が残ると判断したリドウはここで話を切り上げて彼等の不安を煽ることにした。
「まあ、信じるも信じないもお前達次第だ。ただし、俺は“嘘”は一言もついてないぜ」
「出鱈目を言うな――「ふははははは……ついに…ついに成功だ!」――何だ!?」
「ようやく、完成か。新しい―――エクスカリバー」
Side木場祐斗
新しい……エクスカリバー? その言葉につい先ほどまで考えていたルドガー君の本当の姿については完全に頭の中から消えてしまい、ただ茫然と魔法陣の中心で輝きを放つ一本の剣を見ることしか出来なくなってしまう。
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