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英雄は誰がために立つ
Life6 逆襲の紅
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て戻れ』って言われたんだが・・・」

 ヴァ―リの言葉に一誠達は瞠目する。

 『味方でもない奴に、話す義理は無かったはずだが?』
 「一々、ご尤もだな。分かった、今日はこの辺にして引き下がろう。それに何より――――」

 ヴァ―リは、士郎に当てられていた剣を退かさせてもらうと同時に、ある方向に指をさす。
 そしてその方向には、激昂寸前の表情を浮かべるリアスの姿が有った。
 彼女の周りには、朱乃に小猫そしてアーシアの姿が有り、アーシア以外の2人は臨戦態勢だった。

 「――――君らの主人が来たから時間切れだしな」
 「如何いう事かしら?白龍皇。貴方が神の子を見張る者(グリゴリ)に近しい人物であるのであれば、会談前の接触は――――」
 「――――『二天龍』と称されたドラゴン、『赤い龍(ウェルシュ・ドラゴン)』と『白い龍(バニシング・ドラゴン)』。この二体にかかわった者達は、人並みの平穏から無理矢理遠のきつつ、碌な人生を歩めなかったらしい。――――貴女はどうなるんだろうな?」
 「――――――っ」

 ヴァ―リの語りに言葉を詰まらせるリアス。

 「俺が此処に来たのは、自分と対を成す宿主に一目会ってみたかったからさ。そして願わくば――――君とも」
 『・・・・・・・・・つまり、私はまんまと釣られたと言う事か』
 「あくまでも運が良ければが前提さ。だがこうして一目会えてよかったよ。前回は遠目で見ただけだったからな」
 『お互いにな』

 どこまでも憮然の立ち振る舞いを崩さない幻想殺しを、最後に見詰めた後踵を返してこの場を去るヴァ―リ。

 ヴァ―リが去りはしたものの、妙な空気と緊張感に包まれる一同。ある一人を除いて。

 『各自、今日は極力何所も拠らずに帰宅することを勧める』

 その言葉にオカルト研究部一同は、首肯で答えた。未だに、何とも言えない空気が漂っているからだ。
 ただ言える事は、招かざる者達が集まりつつあったと言うだけである。
 そして、此処にもう1人―――――Kraだった。

 『・・・・・・・・・・・・・・・』

 彼の者の視線に気付けた者は、結局誰も現れなかった。


 −Interlude−


 夜、藤村邸――――。

 チャポン――――。

 一糸纏わぬ体に、発汗作用から来る汗や水滴が自然の摂理にのっとり一つまた一つと転がり落ち、湯ぶねの中で一つとなっていく。
 みずみずしい体は、少し熱めの湯ぶねの中で肩まで浸かっていた。
 そして当の本人は――――――――――――――――――藤村士郎だった。

 日本の18と言う年齢の少年たちとは、およそ比較にならない程に鍛えぬかれた体だった。

 ザァァッ。

 士郎は息を吐きつつ、浴槽から立
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