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英雄は誰がために立つ
Life6 逆襲の紅
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ち上がる。如何やら上がる様だ。

 (ふぅ、やはりおかしいな)

 脱衣所に入ると、てきぱきといつも通り体を拭きながら洗面台に向かう。

 (今日の白龍皇と言い、先日のコカビエルと言いあまりに弱すぎる・・・・・・・・・いや、俺が異常に強くなっているんだろうな)

 士郎は、以前の世界での自分の戦闘力について剣士としては一流に近い二流ではあるが、戦闘者としてはかなりの自負を持っていた。但し、あくまでも人間の中のレベルでの話だった。

 にも拘らず、本来の世界での経験値や知識を引き継ぎつつ、更には血統にも恵まれたことにより以前よりも力が増したことは頷けるが、現状での戦闘力は士郎自身思うところがあるほど異常だった。

 髪を乾かし終えた士郎は、脱衣所を出る。

 (それだけじゃない。今更だが、投影も一切劣化が無いなんておかしいにもほどが有る!武器の類では無い宝具の小人の隠れ蓑(タルンカッペ)すらも一切の劣化が見られないしな)

 廊下に出た士郎は自室に向かう。

 (この事は―――――――にも相談したが、専門外みたいだし無理に言えないからな。残りの3人は、愉しめればいいとか抜かしてるしな。―――――それ以前にあの4人とも、――――であるにも拘らず――――していること自体が問題なんだよな。本人たちも原因がよく解らないらしいし)

 母屋から離れに続く廊下へ。

 (――――やはりおかしいのは、来訪者(イレギュラー)の俺が――――――もの間―――――に―――されていない事だな。つまりこ―――には――――が無いって事なのか?それならばあまりに異常すぎるし、そもそも――「士郎さん!」・・ん?」

 離れに到達して、自室は目と鼻の先と言う処で、ゼノヴィアに後方から声を掛けられて振り向く士郎。

 「如何した?」
 「いえ、あの、その・・・・・・」
 (落ち着けゼノヴィア・クァルタ。リアス・グレモリーの助言通りに、実行する時だ!)

 自分を叱咤させて、自身を奮い立たせるゼノヴィア。

 「士郎さん!私の――――いや、私に――――」
 「私に?」
 「――――士郎さんの子供を孕ませてください!」

 ――――瞬間、世界が凍った。少なくとも士郎はそう感じた。

 因みに、ゼノヴィアの居候先輩である彼の者は、嫌でも聞こえたので【何を言ってるのだこの娘は?】と呆れた。

 ゼノヴィアはやり遂げた感で満ちていた。
 一方の士郎は正気に戻り、眉間を押さえながら言う。

 「済まないゼノヴィア。多分俺の聞き間違いだったようだ。もう一度言ってくれ」
 「な!?」
 (あ、あれをもう一度言葉にしろと言うのか。流石は士郎さん!やるぅ!!ならば――――)

 気を取り直して自分を落ちつけるゼノヴィア
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