マブラヴ
0889話
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弱みをこの場で口にするのは避けたい。
と言うか、酒を飲んだ結果普通にこの辺り一帯が焦土と化していても既に俺は驚かないぞ。
何しろ酔っ払ったまま魔法を使うというのは、マクロス世界に転移した時に既に証明済みだし。それどころか、システムXNまで起動させたんだからな。
おかげで今のリュケイオスは、俺が起動する時に限ってアルコール検知をするようになっている。
「すみません、アクセル代表。彼も普段はこうではないんですが、酒に関しては趣味人でして」
榊が頭を下げてくるが、それに首を振る。
「いや、気にしてない。それよりもまずは料理を楽しませてくれるんだろ? 和食というのは何気になかなか食べる機会が無くてな」
一応ネギま世界やSEED世界で食おうと思えば食えるが、それでも会席料理のようなしっかりとしたものではない。
勿論その類の店に行けば食えるんだろうが、そういう機会は無かったしな。
「そうですね、では早速食べるとしましょう」
榊のその言葉に皆が頷き、それぞれ席に着く。
いわゆる上座と呼ばれる場所に俺が座り、その次に斑鳩、榊……と続いていくような感じだ。
そして運ばれてきた料理に舌鼓を打っていく。
個人的に気に入ったのは牛肉のタタキだった。
かなり上物の牛肉を使っているらしく、舌に吸い付きながら溶けていくような食感と、ワサビのピリリとした辛味、ミョウガの爽やかな香りが口の中で広がるその様は、まさに一級品。
勿論他の料理もどれもが美味であり、満足出来るものだったのは間違い無いが。
そうして異世界の話をしたり、あるいはこの世界の出来事を聞いたりしながら賑やかな時間は過ぎていく。
個人的に気に入ったのは、食事の時に中国の件を誰もが一切口にしなかった事だ。
この辺、相手を持て成すというのを分かっているとしみじみ感じた。
そうして、最後のデザートとして果物の盛り合わせが用意され、それを食べながら軽く話をしたところで、不意に榊達が背筋を正す。
いよいよ本題に入るという事なのだろう。
「さて、アクセル代表をここにお呼びした理由ですが……もう既に想像はついていると思いますが、中国に関しての事です」
「だろうな」
そもそもこの時期に秘密裏に接触してくる用件ともなれば、世界中で話題になっている中国の可能性が大きいだろう。
いや。日本からの招待だっただけに、ストライクダガーと何らかの関係があるかもしれないという可能性はあったが。
「アクセル代表も知っての通り、現在ユーラシア大陸でのBETAとの戦いは欧州、中東とアフリカ、ソ連、そして中国。この4つの戦線が存在しています。その中でも我が国としては、当然中国に注視しており、何とかBETAの被害を日本に出さないように協力してきまし
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