マブラヴ
0889話
[3/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
はいいな。
窓の外の景色を見ながら廊下を歩き続け、やがて1つの部屋の前に到着する。
「お客様がお見えになりました」
「うむ、入って貰ってくれ」
そんな短いやり取りを終え、女将が襖を開く。
その部屋の中にいたのは、数人の男達。
最も若い者でも40代程であり、上の者では80代程。
その中でも、50代のように見える男が真っ先に立ち上がって口を開く。
「アクセル代表、ようこそおいで下さいました。私は日本国首相の榊是親と申します」
差し出された手を握り返し、俺もまた口を開く。
「既に知っているようだが、シャドウミラー代表のアクセル・アルマーだ。それで、日本の首相がわざわざオーストラリアを通さずにコンタクトを取ってくるというのは、どういう事だ?」
まぁ、中国の件に関係しているのは間違い無いんだろうが。
ちなみに、今回の件はかなり複雑な経緯で俺のところまで届いた。
目の前にいる日本の首相の榊是親から、斑鳩家の崇継に、そして崇継から夕呼を通してレモン、俺といった具合だ。
こっちで入手している情報だと、城内省や斯衛、あるいは武家といった国粋主義者の面々と親米派と目される榊内閣の関係は必ずしも良くないんだが……よくも斑鳩家とコンタクトが取れたよな。その辺は素直に凄いと思う。
「詳しい話は食事が終わってからにしましょう。アクセル代表には是非日本の伝統の味を味わって貰いたいですし」
榊と共に俺を出迎えた男のうちの1人がそう告げる。
恐らく……いや、当然ながらこの場にいるのは、その全てが榊の身内というか、派閥というか、そんな感じなんだろう。
「そうですな、日本の豊かな自然が育んだ料理の数々。これは是非シャドウミラーの方にも食べて貰いたいところです。それに、何よりもお勧めは日本の水と米で作られた日本酒」
「あー……悪いが、俺は酒は飲まないんだ。すまないが料理だけにしてくれ」
その言葉に、思い切り残念そうな表情を浮かべる男。余程の酒好きらしい。
「それは勿体ないですな。酒を楽しめないとなると、人生の7割は損をしているようなものですぞ」
「関口国防大臣、そのくらいで……それに今回の件を考えると、酔ってしまっては色々と不味いのも事実ですから」
それでも懲りずに酒を勧めてくる関口とやらだったが……
「関口国防大臣、そのくらいにしておいてくれないかな。アクセルは私の友でもある。あまり無理強いはしないで欲しい」
「斑鳩様……これは失礼しました。ですが、酒という人類最大の友を……いえ、確かに無理に勧めるのは礼儀に反しますね」
「そうしてくれ。生憎酒の味の分からないお子様舌だしな」
正確にはアルコールを摂取すると色々と不味い事態になるんだが、ある意味では俺の最大の
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ