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ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
追憶の惨劇と契り篇
46.無力なる神意
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化け物になってしまう。つまり人間と化け物の明確なラインなどないのだ。
ならば彩斗も…………
「彩斗くんは正真正銘の人間よ。それは私が保証するわ」
カーテンの向こうから聞きなれた声がした。なぜこんな場所にいるのだろうか。しかしそんなことを考えらないくらいに彩斗の頭は混乱しきっていた。
開け放たれたカーテンの奥から現れたのは、長い茶髪に年齢に全く合っていない少女のような顔立ちの女性だ。
「……母さん」
「以外に元気そうで安心したわよ、彩斗くん」
「これを見て元気に見えるかよ」
彩斗はわずかに口角を釣り上げた。
ここまでの状況がよくわからない。
アイツ
(
・・・
)
の言葉に従って動いた結果がこれだった。結局、アイツはなんだったんだ。正体もわからずに言葉を信じて闇雲に進んでみれば柚木が眷獣を操っている姿を見るは、津波に巻き込まれそうになるは、眷獣に殺されかけるわなど散々な目にあった。
「そういえば、柚木はどうなったんだ?」
「柚木ちゃんなら隣の部屋で寝てるわよ。相当頑張ってくれたからぐっすりよ」
その言葉を聞いて安堵のため息が漏れた。
彩斗は一呼吸開けてから真剣な顔へと変え口を開いた。
「それなら母さん聞かせろよな……あんたたちは何者だ」
美鈴は困ったような表情で白衣の女性と顔を見合わせる。
「それは教えられないわ。無関係のまま家に帰ったほうが彩斗くんのためよ」
「だが、その少年はもう無関係とは言えないでしょう」
今度は聞きなれない男の低い声。そちらの方向へと顔を向ける。碧眼の綺麗な瞳ではあるが、鋭い目つき。日本人離れした北欧系の顔の男らしい顔立ちだ。その上彩斗が座っていることもあるが、見上げるほどの身長で首が疲れる。190くらいはあるのではないだろうか。
「アレイストさん! もう体は大丈夫なんですか?」
「もう大丈夫です。わたしの体は皆さんに比べても少々特殊なのでね」
礼儀正しい口調と動作からどこかの軍人なのではないかと思ってしまう。それによく見てみると服装も軍人が着るような感じであった。
「それにこの少年がいなければ、四番目の暴走を止めることはできませんでした。わたしもどうなっていたことか」
そんなことを言いながらアレイストと呼ばれていた男は、彩斗に手を伸ばしてくる。まじかでみるとさらに迫力がすごい。
「ありがとう、少年」
「い、いえ、こちらこそです」
その手を握り返すが大きすぎて彩斗の指が疲れる。
「……そうですけど」
白衣の女性の言葉の語尾が力なく消えていく。ちらりと美鈴を見ているが呆れたように首を横に振っている。
「なら決まりだな。だが、一応確認はとっておくぞ、少年。ここから
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