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魔法少女リリカルなのは ViVid ―The White wing―
第一章
二話 高町家の現在(いま)
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行に移して下さいよ』
『分かるのと実行するのは別。却下』
『相棒〜』
呆れたような、訴えるような声の念話が届くが、クラナは「あー、あー、聞こえなーい」と知らん振りをする。

『どうしてそう、頑ななんですか』
『……いいだろう?もう……』
ポケットから取り出したペンライト……アルを机の上に起き、すぐ横のパイプベッドにクラナは寝転がる。ペンライトには背を向けて、だ。

『…………』
『…………』
お互いに黙り込むと、そのまま数分が過ぎる。と、暫くして、アルのライト部分がチカチカと瞬いた。

『相棒、相棒』
『うん?』
念話に反応して、思わず同じように念話で返す。アルはそのまま続ける。

『下で何やら始まるようですよ?魔力反応が増えましたが……』
『何やらって……あぁ、そっか。そう言えば届いたんだっけ』
念話上ながら、納得したようなクラナの声にアルは疑問の声を返す。それに対してさしたる事も無さそうにクラナは言った。

『マイデバイス、届いたって言ってたじゃんさっき』
『あ、あれはヴィヴィオさんのデバイスの事でしたか』
『うん。となると家族全員デバイス持ち、か』
『賑やかになりますね!私も挨拶してきたいのですが……』
アルの申し出に対して、クラナは少しだけ考える。

『んー……、後でね。多分テスト兼ねて公園かどっか行くはずだし』
『ですか……あ、魔力反応上がってます!マスター登録が始まりますよ相棒!』
『ふーん……』
素っ気ない返事だったが、クラナは動いた。カーテンをほんの少しだけ開いて、アルに『光っちゃだめだぞ』と小さく告げて外を覗く。

庭には二羽ニワトリが……ゴホン。
庭には金髪の少女……言うまでもなくヴィヴィオだが、彼女が立ち、魔法陣の上で何事かを呟いている。恐らくはマスター登録に必要な、氏名、術式型(タイプ)。そしてデバイスの愛称(マスコットネーム)と正式名称で構成される固有名称を述べているのだろう。
特に知りたかった訳でも無いのだが、クラナはヴィヴィオが登録するであろうデバイスの名称を知っていたりする。
と言うのも、以前ヴィヴィオが答える訳も無いのにクラナに意見を求めて来た事が有ったのだ。

――――

『どれが良いと思う!?』
『…………』
まだ持つかどうかも分からない幾つものデバイスの名前候補がつらつらと書かれたテキストデータをホロウィンドウに載せて見せられた時は、軽く呆れてしまったものだ。そしてくしくも、彼女のデバイス名を決めたのは半分クラナであったりする。

『…………』
『?どれ?これ?』
答えを返すつもりも無い癖に、反射的にクラナはその名簿じみたリストをざっと眺めてしまったその中に……
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