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FOOLのアルカニスト
初めての仲魔と実戦
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がそれ以上に末喜こそが夏王朝滅亡を招いた張本人、というわけである。この桀妃のエピソードは、後世の傾国である妲妃、褒?と関連付けられ、最終的に彼女は本来人でありながらも、白面九尾の妖狐へと貶められることになった。その具現が少女の正体であった。

 (チェフェイ?!女神転生ifの貪欲界におけるBOSS。開けた宝箱の数で力を増す妖獣チェフェイか!なんで、貪欲界どころか魔界ですらない地上の異界にいるんだよ!とはいえ、まあ今更か……。)

 徹は体が訴える痛みを無視しつつ、考えを巡らす。ペルソナ3の世界にもかかわらず、女神転生ifのBOSSがでてきたことに理不尽を感じるも、今更すぎると思い直す。なにせ、徹自身が理不尽の塊だ。少なくとも彼にだけはどうこういう資格はないだろう。

 まあ、それはさておき、現状は最悪である。尻尾が二尾であることを見るにチェフェイの強さは、幸いにも最低クラスだ。とはいえ、それでもLV20はあるのだから、洒落にならない。いや、異界の主であることを勘案すれば+5くらい考えたほうがいいかもしれない。それにひきかえ、こちらは徹がLV15、ゴブリンがLV9である。正直、絶望的な差である。原作ゲームにおいて序盤でのLV差は、雑魚敵でも致命的だった。だというのに、現実では相手は格上で、その上異界の主というBOSS補正が付いているのだから、詰んでいるとしかいいようがない。これがゲームなら、諦めてリセットしてやり直せばいいだろうが、現実には不可能だ。死ねば終わりだ。いつものように、雷鋼が蘇生してくれるとは限らないし、そもそもあの美少女悪魔が己の死体を蘇生可能な状態で残してくれるかも甚だ疑問であるからだ。

 (くそっ!異界の主をゲームのBOSSのように考えていたから、まさか自ら場を出てくるとは思わなかった。なんたる考え違いか!自分の縄張り荒らされりゃそりゃ出てくるよな。ゲームと現実は違うっていうのに、全くつくづくなってないな。俺は……。)

 己の考えの浅さ、認識の甘さを呪うが、今更後の祭りである。今は、手持ちの札でどうにかするしかないのだ。でなければ、なにもかもここで終わるのだ。

 (幸いこの異界内ではペルソナを使ってないから、奴はペルソナに気づいていないはずだ。とはいえ、一度使えばばれるだろうし、逃げようにもこの異界内では奴の手の内だ。なら、露見する前に現状で最強の攻撃をぶち込んで、一気に勝負を決める!その為には……。)

 原作知識どおりなら、あの形態には物理攻撃が効くはずである。また、ゲームの知識かといわれそうだが、悪魔の戦闘相性や所持スキルが原作と殆ど変わらないのは、ここまでの道中でアナライズして、すでに確認済みである。まあ、それでも確実とは言えないのが辛いところだが、どのみちこのままなら殺されるのを待つだけである。多少
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