初めての仲魔と実戦
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、ゴブリンは頭が痛くなる。
「ええ、これでも地上には何回か来てるんでって……そうじゃないっすよ!それだけやりたい放題したら、絶対に異界の主に目をつけられてるすっよ!」
「ふむ、ちょうどいい。俺も異界の主に用があったんでな」
ゴブリンの苦悩をよそに、徹は我が意を得たりと頷く。
「ちょうどいいって……、坊ちゃん何考えてるんすか?」
「うん、異界の主を殺すことだけど」
「はあ!何いってるんすか?!異界の主になるような悪魔は、あしらのようなケチな悪魔とは格が違います。元々の強さもさることながら、異界からMAGを吸収して溜め込んでいるんで、元より強化されていることがほとんどっすよ。それに生身の人間が挑もうなんて、死ににいくようなもんですぜ」
主を翻意させようと必死に異界の主についての情報を教え込むゴブリン。言っている最中にも、自身の置かれた絶望的な状況に後悔の念がとめどなく溢れていく。だが、肝心の徹には何の効果もなかったのだが。
「そうか、なるほどな。情報、ありがとなゴブリン。あ、これ種族名だろ?なんか別に名前をやろうか?」
恐れるどころか、いい情報をもらったといわんばかりの徹の態度に、ゴブリンは天を仰いだ。
「ハア、もう、好きにしてくれていいっすよ。あしはどうせ契約で逆らえやせんし、異界の主でもんなんでもお供しやすよ」
「おう、心強いな。じゃあ、早速…「その必要はないですよ」…!!」
その時だった。徹の言に突如妖艶な女性の声が割り込んだのは。警戒も露に瞬時に声の方向に視線を巡らすも、背後から凄まじいまでの衝撃を腹部に受けて、弾き飛ばされたのだった。
そして倒れ伏した徹が、どうにか顔を上げて見たのが、仲魔にしたばかりのゴブリンが、狐面をつけた妖艶な美少女に片手で吊るし上げられているところであった。
「あら、分霊かと思ったら、貴方本体なんですか?私の縄張りでオイタをしている坊やに礼儀を教えてあげようと思いましたのに、これはとんだ拾い物ですね。ちょうどいいから、あの糞爺に削ぎ落とされた力を取り戻すための滋養になってもらいましょう」
「……!!!」
首を捕まれ、喋ることもできないのか、必死に全身で拒絶を表すゴブリン。その顔にははっきりとした恐怖が刻まれていた、
「うふふ、暴れても駄目ですよ。むしろ、光栄に思ってください。私の滋養になれるんですから。この傾国の大妖女『桀妃』たる私のね」
『桀妃』、中国において殷の紂王と並んで暴君の代名詞とされる夏の桀王の妃である「末喜」のことである。美女である末喜に溺れた桀王は彼女に言われるままに放蕩を尽くして国を傾け、最終的に殷に攻め滅ぼされてしまった。つまり、桀王も悪い
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