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FOOLのアルカニスト
初めての仲魔と実戦
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まないことを瞬時に悟った。ゆえに、彼は全力で保身に走る。

 「あっしは妖精族のゴブリンっていう、けちな者です。今、地上にでてきたばかりで、何の罪も犯しておりやせん。だから、この物騒な物を引っ込めていただけやせんかね」

 「妖精ゴブリン?この異界にいたのか?いや、逃げ去っていく中でも見なかったし、本当に今来たというのは間違いないらしいな。しかし、ゴブリンか……」

 自身の記憶を探りながら、目の前の悪魔の言を吟味する徹。最終的にゴブリンは、補助魔法が優秀な中々便利な悪魔だったということをゲーム知識から思い出し、さらに己が考えにふける。その間も、寸分足りとも突きつけた刃は動いていない。ゴブリンが何かすれば、一瞬で切り伏せれる状況であるのには何ら変わりはなかった。

 「あのー、坊ちゃん?何をお考えで?あしに御用がないんなら、逃がして頂けるとありがたいんでやすが」

 一方、ゴブリンは戦々恐々としていた。いつ、殺されるかわかったものじゃないのだから、当然である。目の前の少年との力の差は歴然としていたし、必死で逃げる隙を伺っているのだが、肝心の隙が全くないのだ。徹が考えこんでいる間、ゴブリンは正直生きている心地がしなかった。

 「よし、決めた!お前、俺の仲魔になれ」

 「は?仲魔ですかい?考えなおしましょうや、坊ちゃんにあし程度の悪魔が今更必要とは思えやせん。というか、坊ちゃんサマナーだったんで?」

 いきなりとんでもない提案をされて、驚天動地なゴブリンだったが、何とか断ろうと足掻きを試みる。彼からすれば、折角地上まで来たのだ。束縛されずに遊びたいのが本音であったから。

 「ああ、まだ見習いだけどな。悪いが、お前の見解は聞いていない。答えはYESかNOかだ。で、どうする?」

 だが、それに対する徹の返答はにべもない。しかも、その目はNOと答える代償が己の命であることを明確に告げていた。これが分霊であったなら、ゴブリンもNOといえたかもしれないが、悪魔の中でも最下級に属する彼は本体であった。つまり、ここで殺されたら、本当に死ぬ。仮初の死ではないのだ。ゴブリンだって、命は惜しい。死ぬのは御免だ。すなわち、彼の答は一つしかなかった。

 「分かりやした。YESです、坊ちゃん。あしは妖精ゴブリン、今後ともよろしく」

 心中で諦観の溜息を盛大につきながら、答を返したのだった。

 その後、契約により即座にCOMPから召喚されるゴブリンだったが、主となった少年の所業を聞いて頭を抱えたくなった。

 「何やってくれてるんですか、坊ちゃん!それじゃあ、この異界内じゃ、あし達は指名手配犯のようなものですぜ!」

 「おお、指名手配とか知ってるんだ、博識だなー」

 とうの召喚主のどうでもいいことへの感心に
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