幼年期編
第8章
出会い―ブリテンの少女― 2
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ン― アーサー王…そう呼ばれる存在である。
ある魔術儀式の折に衞宮士郎が召喚した彼女は紆余曲折を経て現在は凛の使い魔となっている。
セイバーは魔術によって現世に召喚され、魔力と魔術的な契約によって保たれた存在である。
そんな存在が魔術を掻き消す能力を持つ人物(能動で発動なのか自動で発動かは分からないが)と握手――接触をしようとしていたのだ。
最悪の場合セイバーがその場で消えていてもおかしくはなかった。その事に凛は行き着いたのである。
(そして美琴は最低限その可能性には気が付いていた。そうじゃなきゃ、あんな切羽詰まった様子で当麻を止める必要性はないはず。セイバーがどういう存在であるのかも感づいていてもおかしくはない…か)
凛が士朗に目線を向けると士郎も見返して頷いてくる。士郎も同じ答えにたどり着いたであろう事を凛は確認すると美琴に目線を向ける。…向けるのだが。
(いや、あの様子だとかわいい嫉妬の可能性が高く見えてくるわね)
当麻に抱きつきながら泣く美琴の様子を見ていると、毒気が抜かれてそんな可能性が高い気がしてくるから不思議なものだ。
少なくとも先ほどの行動が自分たちへの善意からの行動だと確信しているからこその感想ではあるのだが。…凛としても絆されている感があるのは否定できない事実である。
そんな風に凛が考えている間に美琴は立ち直り、先ほどの真意について話し出す。
当麻がセイバーを消しそうになっていた事(かなりヤバかったらしい)と、当麻のあの不思議能力(右手のみの能力で“幻想殺し”というらしい)について説明した後、美琴はどう説明したらいいのかわからないようで言葉を詰まらせる。
そして少し考え込むようなそぶりを見せた後、凛と士郎へ顔を向けると一言――
「凛さん、説明お願いできますか?」
申し訳なさそうにそう言ったのだった。
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