第15話 Tempest Turn 6
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・カズト。」
三人は、名乗りをあげた。
それは負けられないという意味が込められている。
ここから先は、人間では及ばない世界。
人外の超速戦闘である。
三人が、同時に動き始めた。
SIDE カズト
4つの刃がぶつかり合い、火花を散らす。当然、俺とサテライザー先輩、イングリット先輩の物だ。
サテライザー先輩が正面から突っ込み、迎撃に移るイングリット先輩のトンファーを俺がグラディウスを滑り込ませ、弾く。その都度、右手に尋常ではない負荷がかかるが、そんな物に構っている余裕はない。
「チィッ??レオ!」
「はい!」
フリージングが張り巡らされるが、俺の剣から発せられた赤い光が阻害する。
戦闘しながらのフリージング解除は、相当の体力を削られるが、致し方ない。
「先輩!」
「わかってる!」
俺が右に、先輩が左へと加速していく。
左右からの同時攻撃。コンビネーションなど初めてだが、どうしてかサテライザー先輩の思考が読み取れる。
イングリット先輩もテンペストで応戦するが、回数で防げても速度は追いつかない。
「とった!」
イングリット先輩のトンファーをサテライザー先輩がかち上げ、俺がその間に剣戟を叩き込んだ。
その時だ。
頭の中に、イメージが流れ込んでくる。
雨の中、ノヴァを相手に1人で立ち向かうショートカットの少女。
悲しみを抱え、憎しみを潜ませた、イングリット・バーンシュタインの根底にある記憶の欠片。
それらが一瞬で流れ込んできたのだ。
「そんな………………」
「何を惚けているの??」
イングリット先輩の打撃によって、現実に引き戻されると同時に、血を吐き出した。痛みはある。だが持続的なものではない。
サテライザー先輩が引っ張ってダメージを軽減してくれたからだ。
「言ったでしょ!足手まといにならないでって??」
先輩が怒鳴るが、俺はまだ惚けたままだ。
「あなた、聞いて「泣いてた…」……え?」
「泣いてたんですよあの人は!親友を失って、たった一人で孤独に泣いてたんです??」
右目から流れる涙を拭い、グラディウスを杖にして立ち上がる。
「先輩、手を貸してください。」
「え……?」
俺は戦う。
「あの人を縛っている鎖を、断ち切るために。」
SIDE OUT
絶叫をあげながら、カズトはグラディウスを上段に構えて突進する。
今までとは違う、単純な直進。普通なら、単独ならば簡単に避けられる。
しかし、その無謀とも言える特攻は、一人だけではなかった。
左右からの同時攻撃。当然、アクセル状態のサテライザーとカズトだ。
しかもその速度は今までで最高。
おそらく、ダブルアクセルを超えているだろう。そのアクセルは、彼らの決意が生み出
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