コヨミフェイル
016
[8]前話
後日談というか、今回のオチ。
影縫さんと斧乃木ちゃんが去った後、僕はいつも通り、忍の首筋にかぶりついて、火憐にしたようにかぶりついて、血を戻し、忍をただの金髪金眼ロリ幼女に、自分をどこにでもいそうな高校生に戻して、帰路についた。
気を失った火憐という荷物があったため自転車を諦めて、火憐を背負い、忍は影に戻ってもらった。
家に帰り着くと、月火や千石から火憐が無事かどうかと雨霰のように質問をされたが、とにかく無事だと伝え、二人を落ち着かせてから、火憐を自室のベッドに寝かせ――ようとしたが、ぐずって離れようとしなかった。無理矢理引き剥がそうとすると、寝ながらチョークスリーパー掛けてきやがった。
なんだよこれ。
背負っているから背中に胸が押さえ付けられていたのだが、仕方ないと、そのままにした。一応断っておくが、別に胸の感触を楽しんでいたわけはないからな。
しばらくすると、起きたので、下りて、ベッドで横になれと言った。起きたばかりだったからか、素直に従ってくれた。
部屋から出ようとしたが、ふと気になってあることを火憐に訊いた。
「そう言や、お前どれくらい覚えてんだ?」
「う…………ん、走り回ってたらぁ……むにゃむにゃ……兄ちゃんの学校の制服着た女にぃ…………瑞鳥の居場所に案内してあげるとぉ………ぐぅぅ…………言われて、ついていったら…………気を失ってた…………すぴぃー」
だそうだ。
有力な情報なのだが、こうして火憐が明かすとわかるのだから、黒幕本人が火憐の前に現れたとは考えにくかった。
まあ、とりあえず、このことは羽川に訊くとして、部屋を後にした。
それからが大変で、しばらくして起きてきた火憐を交えて、月火が怪異であること、火憐は以前にも怪異の毒を盛られたことがあることなどを明かして騒ぎとなり、神原が頼んだ寿司の出前という夕食はかなり賑やかになり、寝るときになると、誰がどこで寝るかでさらに賑やかになった。そのとき何故か僕のベッドで誰が寝るかが主な争点となった。
僕のベッドなんだけどな。
ちょうどそのときに両親が帰ってきたのだが、挨拶だけして、僕たちの輪には入らず、寝支度を済ませると、さっさと寝てしまった。疲れていたのだろうか?
結局、火憐と月火→火憐のベッド、千石→月火のベッド、神原→僕のベッド(何故?)、そして僕→居間に敷いた布団にそれぞれ寝て、やっとめちっゃくちゃではちゃめちゃな、騒がしく、賑やかな一日は今度こそ本当に幕を下ろしたのだった。
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