二十七話:迷子には気をつけような?
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ゼノヴィアに骸殻について聞かれたので答えると、イリナに手を貸して起こしながら苦笑いで敵だったらと思うとゾッとすると言われた。……いるんだよな、敵にもその骸殻能力者が。そう思うと思わず顔をしかめてしまう。
そのことに気づいたイリナがめざとく訳を聞いてくる。イリナはこういうところに機敏だな。
気づいたら人の懐に入ってきているって感じだよな。それで思わず、色々と喋ってしまうというわけだ。まあ、今の俺みたいにな。
「あいつも…リドウも同じ一族―――骸殻能力者だ」
「え! あの変な人も!?」
驚くイリナに黙って俺は首を縦に振る。厄介なことにあいつは才能だけはあるんだよな。何であいつみたいなやつがハーフ骸殻になれたんだろうな? ……まあ、考えても仕方がないか。あいつは同じ骸殻を背負った俺が倒す、それだけだ。他の奴らには荷が重すぎるからな。
一人で全てやろうってわけじゃないけど俺以外じゃ倒せない。
それにコカビエルだっているんだ。あいつも俺以外じゃ倒すまではいけないだろうし……まあ、まだコカビエルなら上手く連携をとって戦えば今のイッセー達ならなんとか相手にはなるかもしれない。あいつらもしっかり強くなっているからな。
「さてと……イリナ、ゼノヴィア。駒王学園に向かうぞ」
「分かったわ!」
「ああ」
そして三人で勢いよく走りだそうとしてはたと足が止まる。
そして三人揃って顔を見合わせる。……不味い、このパターンはあれだろうな。
俺が初めてこの世界にきた日にも起きたあれ―――
「「「ここがどこだか分かる(か)?」」」
「「「………………」」」
「と、取りあえず、街を目指して走ろう!」
「そ、そうね」
「そ、そうだな」
どうも、また俺は迷子になったみたいです。
何とか今度は迷わずに目的地につけるといいな……取りあえず連絡だけは入れておこう。
本来であれば警備員位しかいないであろう時間帯にオカルト研究部の面々と生徒会の面々は薄ら暗い校舎の中にいた。そして彼等が集まることになった元凶たる存在コカビエルとバルパーは一切隠れる素振りも見せずに堂々と運動場にて何やら怪しげな実験を進めていた。
その様子を校舎の中から見るリアス・グレモリーは自分達の学び舎で好き勝手やられていることに納得がいかず悔しそうに唇を噛みしめながらつい数十分前にコカビエルが言っていた言葉を思い返す。
「退屈だから戦争を引き起こすだなんて……絶対にさせないわ!」
コカビエルは彼等の前で堂々と宣戦布告したのだ。駒王学園を中心に暴れまわり魔王であるサーゼクス・ルシファーを誘き出しそれをきっかけとして再び戦争を引き起すのだと。
ただ己の欲望の為に、
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