プロローグ (視点シフト)
悩ましき日々 2-(前)
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道沿いに立ち並ぶ桜の小枝に蕾を見つける
「 ほう。 もうそんな時期か・・・ 」
この人物には四季の移り変わりを楽しむ余裕がある
危険な盤上に降りてきてもなお、その自信は揺るがない
和服を着こなし、その上から黒のロングコートを羽織っている。もちろん下駄。
がっしりとした筋肉質の体格に、精悍な顔立ちを持つその人物は歴戦の武士を思わせる
「 ・・・おお、あいつかぁ 」
100メートルは離れた場所を歩く人物を見てそう呟いた
「 あいつがシルメリアのとっておきか・・・さて、我に何を思わせる? 」
歳の割に悪戯っぽい笑みを浮かべ、兄様は神界へと戻るべく歩き出した
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「 ファーハッハッハ! 見てきたぞ妹よ! おまえの切り札とやらをな! 」
「 ・・・はぁ。 」
ため息をつくシルメリア。なにやってんだこいつは、と思う。
「 兄様? そういうことは敵である私に言ってはいけませんと何度も言いましたよね? 」
兄に向かって諭すように言う女神様。
「 ファーッハッハッハ! 何を言うか!? 実の妹であるお前が再起不能になるまで打ちのめされるのは不憫に思い、こうして助言を与えているのではないか! 」
カチンときた
「 へぇ、私が誰にやられると思いますの? 」
「 私だ 」
「 もう一回 」
「 私だ( 2回目 ) 」
「 そう・・・お兄様の中ではいつまで経っても私は妹ですのね。それも非力な 」
「 非力とは思っていない。・・・が、お前が私の妹である事に変わりは無いのだシルメリアよ。 」
「 そろそろ『 ライバル 』くらいにはなれたと思っていたんですがね・・・ 」
「 己の非力を嘆くでない。これはひとえに我が最強である事が原因である 」
「 その口調でザコキャラとか、何の冗談ですかってレベルですね 」
「 うむ。我がコマを持たず、この身一つで生きているのもそれが理由よ 」
「 はいはい、わかりました。私はまだ妹でいいですわ 」
「 そうか 」
それからしばらく雑談をした後、お兄様は『 やる事がある 』といって帰っていった。
「 相変わらずブレませんね、お兄様は 」
シルメリアは兄が何をしにいったのか、なんとなく理解していた。そしてメニュー画面を開き「 施策 」 → 「 干渉 」 → 「 アイテム設置 」を表示する。設置できるアイテムは多種多様で、大きな岩石から小さな小石サイズの物までそろっている。アイテム設置にはいくつかの条件があり、大きいものは「 設置 」を選択してから実際に設置されるまでの時間差が大きく、小さいものはすぐさま設置する
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