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Shangri-La...
第一部 学園都市篇
第3章 禁書目録
29.Jury・Night:『Dragon Bless』
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w h る ァ ァ ァ a w l ァ ァ ァ ァ u h n ァ ァ ァ !』


 振るわれた爪が六つ。前後左右天地の逃げ場を封じて、全周囲から目にも留まらぬ速さで。例え爪を躱せても、大気を焦がす灼熱が命を奪うだろう。
 今度こそ確実に嚆矢の命を灰塵に帰すべく、迫る─────!


「────遅い」
『ぐぅxjるtiるう?!』


 しかし、彼は死んでいない。裏柳生の回避術理“(クズ)八重垣(ヤエガキ)”により無傷で、六本の魔爪が掻き破り焼き尽くした筈の空間で。天からの一撃、それで煙草に火を点して。
 薄ら笑いを吹き消した“命ある焔(ミニオンズ・オブ・クトゥグア)”の、鞭じみた尾の一撃すらも寄せ付けない。


『────ぐ w h る ァ ァ ァ a w l ァ ァ ァ ァ u h n ァ ァ ァ !』


 見えている。恐らくは彼の背後に立つ『光芒』の正体を見たのだろう、それでも無感情に三つの顎で食らい付こうと迫る炎の塊が。“這い寄る混沌”の住処であった森を焼き払った、旧支配者の眷属が。
 知性の欠片でも持っていれば、抗う意味が無い事にも気づこうと言うのに。憐れなどとは思わないが、同情はした。


『無駄だよ────ワタシが、コウジには届かせない』


 その紅炎(プロミネンス)の塊が、凍てついて動きを止める。凍て付き、腐れ落ちる六つの脚と尾、三つの頚を喪って。
 収斂する終焉の具現に、最早再生すら許されず。それでも焔塊は、残った胴体から全周囲に熱を放つ。さながらコロナの如く、大気有る限り燃え続けるだろう。


『ぐぁぁぁjgnqぁぁぁumあ!』
「黙れ、喚くな────」


 それは、宇宙の終焉。“ビッグ・クランチ”の闇。虚無への収斂の刹那には、虚空清浄にまで版図を狭める闇と凍気。ならば、届くもの等は有りはしない。この世に在るモノである限り、有り得ない。
 かつて、ヒューペルボリア大陸を滅ぼした絶対零度。『素粒子も含めた全てが動きを止めた状態』である、摂氏(せっし)−273℃。即ち、電子すら停止する物質の崩壊温度。量子力学上の、温度の()()()()。支配者すら駆逐した、その脅威。だが、それすらも“自存する源(■■=■■■)”の前には意味を成さず。今やそれは、かの『元帥』の力の一部。


 それを成した白銀の右手が────嚆矢の右手と重なって。


「凍て朽ちろ─────!」
『“絶対零度(アブソリュート=ゼロ)”』


 時すらも凍える程に白く眩めく銀燐が、世界を染めて─────後には焔塊の断末魔も、塵芥すらも残る事はなく。ただ、嚆矢の吐いた紫煙が漂うのみ。


 そして何か、まるで硝子が叩き割られたような。澄んだ
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