第一部 学園都市篇
第3章 禁書目録
29.Jury・Night:『Dragon Bless』
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っ直ぐインデックスの所に!」
《だから年下の、しかも男がァ……チッ、それもそォだな────任せたぜ、マグヌスッ!》
「って────またかよ?!」
インデックスまで後五歩の位置に着地し、その言葉に従い────当麻をインデックスの方に投げ飛ばして、ステイルに任せて。
《コイツは俺が殺る、さっさとあの眠り姫の目を醒ましてやれよ、王子様がた?》
「頼まれるまでもない。あの娘を救う為なら……何であれ、壊す!」
「イテテ……不幸だ────何て言ってる場合じゃないか!」
“魔女狩りの王”に守られて進む、上条当麻、あれならば届く、心配はない。問題なのは、むしろ此方か。真っ直ぐに背後を睨む。焔の獣は、そこに。
在りもしない表情が、嘲笑に歪んで見えて。燃え盛るように、嘲笑って────
『────ぐ w h る ァ ァ ァ a w l ァ ァ ァ ァ u h n ァ ァ ァ !』
《ッッ…………!?》
目にも留まらぬ速さで伸長した前肢一本、まるで紅炎の如く。その灼けた鈎爪の一撃に────最も厚い筈の胸部装甲が、易々と熔断、燃焼、焼却されて。
裏柳生新影流兵法の回避術理“肋一寸”にて、辛うじて命を拾う。
──そりゃ、解ってはいた事だがよ……やっぱり俺に“英雄”なんて、荷が勝ち過ぎてたか。
余りに無力。何たる脆弱、矮小。目の前の怪物に対して、成す術すらあるまい。“魔女狩りの王”のように明確な弱点も見当たらない、対抗策の一つすらも浮かぶ事はなく。
或いは、それが断罪か。本来ならば英雄どころか、唾棄されるべき悪鬼の己が────何を今更、その血塗れの両手で。今更何を、救うなどと思い上がるか。
《ふむ……では、諦めるか?》
(……………………)
損傷した胸元から零れ落ちた懐中時計、そこに内蔵された赤黒い宝石“輝く捩れ双角錐”を握り締めて。
“悪心影”の声に、応える事もせず。
『じゃあ、こうじは何をするの?』
『じゃあ、コウジは何をしたい?』
ならば、どうするか。一体、対馬嚆矢は何をするのか。一体、対馬嚆矢は何をしたいのか?
虚空に浮かぶ月の、地球からは見る事の能わぬ“月裏の虚海”よりの声が
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