第一部 学園都市篇
第3章 禁書目録
29.Jury・Night:『Dragon Bless』
[3/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
そんな殺息から、逃れる事も出来ない。逃げれば、背後の町並みすらこれは焼き尽くす。どうしても、このままではそうなる。
錯覚であるのは分かるが、あの虚空に浮かぶ月にまで。或いは、届くやも知れぬと思わせられる程の魔力の奔流だ。
だと言うのに、勝算が立たない────否、道は一つ在る。今までそうして生きてきた。その為の装備ならば、この腰に佩いている一振りでも十分。
そう────インデックスを■せば、被害は彼女一人で済む────
「────だから、聞けよ!」
《────?!》
その光の奔流を、上条当麻が防ぐ。生身で、『右手一本』で。この神鉄の装甲を飴細工のように融かす聖ジョージの竜王の殺息、それすらも“幻想殺し”は打ち消している。
「っ……あの化け物をブッ飛ばせば、インデックスを助けられる! 記憶を消す必要なんて無いんだ、だから!」
《ッ…………!》
だが、如何に“幻想殺し”と言えども問答無用と言う訳ではないらしい。光の奔流が吹き付ける度、吹き飛ばされそうになりながら。それでも一歩も引かず、上条当麻は叫ぶ。
「手を、伸ばせよ……後少しで、インデックスを助けられるんだ!」
《…………》
「「…………!」」
それはきっと、片膝を突いて喘ぐ嚆矢だけではなく。呆気に取られたままの、ステイルと火織に向けても。あれだけの暴力に晒されて尚、諦めない。その後ろ姿に、諦める選択肢も視野に入れた己が酷く惨めに映り。
聖ジョージの竜王の殺息はそれすらも呑み込もうと迫り続けて────
「────“Salvare 000”!」
先ず、突出したのは火織。七天七刀からの“七閃”が畳を斬り、インデックスの足場を崩す。それにより、“竜王の殺息”は遥か上空に向けて射線が逸れた。
夜空を、どこまでも高く昇っていく一条の光。それは一種、幻想的なまでに美しく。破壊された屋根から覗く暗闇から、光る羽が降り落ちる。余りに場違いな、まるで天使の羽根から落ちたかのような羽が。
「それに触らないで下さい────“竜王の殺息”の余波ですが、それだけでも十分に危険です!」
言われるまでもない、あんな異質。異物。しかし、厄介な事にそれは多数。当麻も、それの
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ