第一部 学園都市篇
第3章 禁書目録
29.Jury・Night:『Dragon Bless』
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を侮るでない。日ノ本一の日緋色金が最高純度たる“青生生魂”と、南蛮一の輝彩甲鉄の合金製じゃぞ? 至って軽微、問題なしじゃ!》
(お前はさっきの“魔女狩りの王”の時の……ええい、何はともあれ上等!)
それでも、その強靭な装甲は痕が出来たのみで揺るがない。その事実だけで十分だとして、割り切る事にして。
「魔術使い……アンタが、『こーじ』か?」
《確かにそうだがお前、年下が呼び捨てに────》
「だったら話は早い、頼む……手伝ってくれ! インデックスの記憶を消去する必要なんてない……アイツはきっと、魔術でそうさせられてるんだ。だから────!」
損傷の修復をショゴスに任せ、残り少ない生命力を削りながら。眼前の脅威にのみ、集中する。
そうしなければ、最早生き残れまい。否、それでも生き残れるかどうかは賭けだろう。
『更なる侵入者を認識────しかし、問題なし。どれ程の材質で、どれ程の厚さの装甲を備えようとも────』
《チッ────おい、上条! 邪魔だから退いてろ!》
「聞いてくれ! あの魔法陣の奥、あそこに居る奴を────!」
故に最後まで言葉を聞かず、邪魔になる当麻を脇に退かして両肩部装甲を前に向ける。独立しているその発振器を、前に佇む脅威へと。インデックスの眼前に展開された二つの魔法陣、空間の軋みによる煌めき。形を得た魔力の結晶、寒気がする程に高純度の。
嗚呼、確かに居る。あの魔法陣の向こうに、何か酷く残酷で悪辣なモノが。その重なった隙間、そこに位置する彼女の唇が開かれ────
『“竜王の殺息”の前には無意味──────』
《クッ──────?!》
放たれた極彩色の、光の波。打ち付けるように、貫くように。挿入された次元の障壁は、実に先程の二倍どころか四倍。
だと言うのに────あっという間に発振器が悲鳴を上げる。余りの圧力に装甲が軋み皸割れ、蹈鞴を踏んだ脚から吹き飛ばされそうになる。辛うじて逸らしている“竜王の殺息”の、その余波だけで全身の装甲材が表面から蒸散していく。
《ぬぅ……なんたる、おのれ!》
さしもの“悪心影”すら、余裕をかなぐり捨てている。もう、後十秒も持たずに加護は貫かれるだろう。
十字教の“聖ジョージ”の竜退治に謳われる竜の吐息。生粋の聖人の、伝承の名を冠する一撃だ。たかだか神鉄で鍛造たれた装甲程度に、耐え得る筈もない。
(ッ……クソッタレ……!)
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