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我が剣は愛する者の為に
修行編 その五
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きます。
 現状に満足せずに常に新しい知識を補完し続けて下さい。」

彗華という真名を教えて貰っているが、俺は先生と呼んでいる。

「彗華、世話になったな。」

「貴方も落ち着いたらまた顔を出してくださいね。」

「ああ、寄らせてもらう。」

最後に俺達は頭を下げて水鏡塾を離れようとする。

「「「縁さ〜〜ん!!」」」

と、後ろからいつもの三人組の声が聞こえた。
振り向くと朱里と雛里と茜が息を切らして俺の元に駆け寄る。

「はぁ・・はぁ・・こ、これを。」

茜が手を差し出すとそこにはミサンガのように様々な色で絡められた輪っかがある。

「これは私達が作った髪留めです。」

「そ、その縁さん髪が伸びてきたから邪魔になるかもと思って作りました。」

朱里と雛里がそう説明を加える。
俺はそれを受け取り、肩甲骨辺りまで伸びた髪を掴む。

「ありがとう。
 早速留めてみるよ。」

正直、かなり伸びてきたので髪留めを買おうと思っていたところだった。
首の辺りに貰った髪留めで縛る。
後ろの方で髪が纏まるのを手で触って確認する。

「本当にありがとう。
 朱里、雛里、茜。」

「また、会えますよね。」

少し涙を溜めながら朱里は言う。
隣にいる雛里も別れが辛いのか同じように涙を溜めていた。
俺は二人の頭を撫でながら言う。

「きっとどこかで会える。
 だから、泣くな。」

「は、はい・・ひっぐ・・」

と言ったが余計に泣きそうになっている雛里。
最後に茜の方を見る。

「あの時の事、覚えていますよね。」

「ちゃんと覚えているよ。」

「私の方から会いに行きますので待っていてくださいね!」

最後に俺は茜の頭を撫でる。
名残惜しいが俺は背中を向けて歩き出す。
すると俺の名前を呼ぶ声が後ろから数多く聞こえた。
もう一度振り返ると、一緒に勉学を受けた門下生全員がそこにいた。
全員が俺に向かって手を振っている。
俺は全力で振り返して、荊州を出て行った。
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