マブラヴ
0887話
[4/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
声が聞こえ、意識が急速に覚醒していく。
声のした方へと視線と向けると、そこにあるのはストロベリーブロンドの髪。身体には柔らかく、暖かい感触が残っている。
同時に、通信機の着信音が寝室へと響き渡っていた。
レモン、コーネリア、マリュー、スレイ、シェリルの5人が見事な裸体を露わにして寝ている状態で、起こさないようにしながら通信機のある方へと向かう。
「アクセル……?」
「もう少し寝てていいぞ。昨日は疲れただろ」
俺に抱きついていただけに、身動きしたので完全に目が覚めたのだろう。シェリルがそう告げてくるのに言葉を返し、ベッドから降りる。
……部屋の半分以上を占める巨大なベッドってのも、こういう時には不便だよな。
小さく溜息を吐き、混沌精霊としての力で空中を飛びながら通信機の近くに移動してナイトガウンを纏う。
何だかんだで昨日は殆ど着ていなかったナイトガウンだけに、皺や汚れの類が無いのは救いか。
いや、さすがに映像は映さないけどな。
「誰だ?」
『私よ、アクセル。朝早くにごめんなさい』
映像モニタに映し出されたのは、エザリア。
こっちがどんな状況になっているのかは理解しているのだろう。こちらからの映像は流さずに音声だけだが、特に文句も無く言葉を告げてくる。
時計を見ると、AM4:37分。
……昨夜、全てが終わって眠りについたのがAM1時過ぎだった筈だから、まだ4時間経ってないのか。どうりでレモン達の眠りが深い筈だ。
そんな風に思いつつ、口を開く。
「いや、構わない。こんな時間に連絡してくるんだから何かあったんだろ。で、何があった?」
『中国が暴発したわ。現在台湾へと向かって侵攻軍を出している』
その言葉は、ある意味で予想通り。だが、予想していたよりも斜め上であるというのも事実だった。
「台湾に侵攻?」
『ええ。理由としては、人類の盾としてBETAに対抗しうる統一中華戦線を自らの利益の為に解消したのは、人類に対する致命的なまでの裏切りであり、それに対する制裁というところね』
「……いや、中国がそれを言ってもな。どう考えてもこじつけでしかないだろ」
『でしょうね。昨日の放送で思い切り面子を潰された事による仕返しという面が強いわ。それに、現在のこの状況を招いた責任は中国にあると名言されたのも気にくわなかったんでしょう』
「その辺に関しては、鉄原ハイヴを攻略する時の式典でも言ってたと思うが?」
『言った相手が違うでしょ。世界第2位の国力を持っていて、更に私達シャドウミラーと繋がりの深いオーストラリアと、自分達に比べれば小さな領土しか持っていない台湾。それに式典で言われたことをより強調して言われたせいで、あの放送を見た人達に強く印象づけられたというのも事実でしょうし。…
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ