第二章
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しかし中にはです、黄金バットが蘇ってきたことを信じない人もいました。ある街のある塾においてなのでした。
ある先生が子供達にです、厳しいお顔で言いました。
「黄金バットなんていないよ」
「いないんですか?黄金バットは」
「蘇ってきたっていいますけれど」
「本当はいないんですか」
「あの人は」
「一体何十年前のお話なんだい?」
先生は授業の後で先生に言うのでした。
「先生が生まれる前だよ、もう生きている筈がないよ」
「けれど人間じゃないとも言われてますよ」
「不死身だって」
「だから今出て来てもおかしくないんじゃ」
「あの人は」
「何を言ってるんだ、あの人は戦争前からいるんだよ」
第二次世界大戦の前からです。
「それで先生のお父さんが若い頃にも出て来ているんだよ」
「ですから人間じゃないとか」
「そうも言われてますよ」
「正義の妖怪じゃないかって」
「あの人は」
「いや、絶対にないよ」
また言う先生でした。
「黄金バットなんて、あとね」
「あと?」
「あとっていいますと」
「最近この辺りに変質者が出ているみたいだから」
それで、というのです。
「皆は一人じゃなくてね」
「皆で集まって」
「そして、ですか」
「帰るんだよ、先生も一緒に帰るから」
こうも言うのでした。
「大人がいればボディーガードになるから」
「だからですか」
「先生も一緒にですか」
「私達と帰ってくれるんですか」
「そうさせてもらうよ」
真面目なお顔で言う先生でした。
「何かあってからだと遅いからね」
「黄金バットがいてもですか?」
「助けてくれても」
「だから黄金バットはいないんだよ」
このことについてはまた言う先生でした。
「悪い奴等はいるけれど黄金バットはいないんだ」
「絶対にいますよ、黄金バット」
「間違いないですよ」
子供達はその先生に必死に言います。
「だから悪い奴が来たら」
「僕達を助けてくれます」
「絶対に」
「全く、ヒーローがいたら」
それこそとも言う先生でした。
「どんなに有り難いか、世の中」
「じゃあヒーローはいないんですか?」
「黄金バットは」
「だからさっきから言ってるじゃないか」
先生のお言葉はここでも変わりませんでした。
「そうした人達はね」
「いないって」
「そう言うんですか」
「ヒーローが欲しければ自分がなれ」
先生は生徒の皆にこうも言いました。
「先生は昔そう言われたよ、先生の先生にね」
「そうですか」
「ヒーローになりたいのなら自分がですか」
「なれってですか」
「言われたんですか」
「そう、わかったね」
先生は皆にこう言ってでした、実際に。
生徒の皆と一緒に帰るのでした、夜も街は静まり返って
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