第151話
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幸いにも制理も頭を手で押えている程度で済んだようだ。
隣にいる桔梗もエアバックを何とかどかしている。
ともかく車が使えなくなった。
さっき出てきたティンダロスの猟犬を見た限りまた来る可能性が高い。
愛穂は車内無線の下にある収納ケースを開ける。
そこには非常事態用のM1911のハンドガンとマガジンが一つだけは言っていた。
それらを手に取り、ドアを開けて外に出る。
後部ドアを開けて制理は外に出て、桔梗も車を出る。
ハンドガンの調子を確かめながら、二人に言う。
「さっきの化け物が来るかもしれない以上、近くの警備員の第七学区支部まで移動するじゃん。
こんな拳銃だけじゃあ心ともないじゃん。」
「賛成ね。
この子も安全な所に避難させないとだし。」
出発しようとその場から離れようとした時だった。
またも強烈な存在感を感じた。
その三人は既に感じた事のあるモノだったから分かった。
あいつらがくると。
それは愛穂の車から感じた。
歪んでできた鋭角や破片からなどあらゆる限りの鋭角から黒い霧が出現する。
それらはまとまって一つになると、そこから十体のティンダロスの猟犬が現れる。
「さっきより増えてる!?」
さっきよりも増えている事に制理は信じられないような顔をする。
愛穂は躊躇わず引き金を引く。
弾丸は一体のティンダロスの猟犬に命中する。
だが、少しだけ怯んだだけで傷一つつかない。
それを見て、愛穂は舌打ちをして制理の手を掴んで引っ張る。
「逃げるよ!!」
桔梗も愛穂について行く。
対するティンダロスの猟犬たちも逃げる獲物を追い駆ける。
しかし、本来ならすぐに追いつけるはずなのに一定の距離を保っている。
楽しんでいるのだ。
この一方的な狩りを。
愛穂達は路地に入って入り組んだ道を使いながら追っ手を撒こうとする。
しかし、この程度で猟犬を撒く事はできない。
何とか裏路地から出ようと出口を目指す。
愛穂は警備員の仕事上こういった路地関係の道は全て覚えている。
すると目の前に出口が見えた。
ここを出て少し走れば警備員の第七学区支部がある。
そこならもっといい装備が置いてある。
あと少しで出口に着きかけた時、その角から強烈な存在感と共に黒い霧が出現する。
そして、二体のティンダロスの猟犬が出現した。
三人は足を止め、引き返そうとするが後ろからは七体のティンダロスの猟犬がそこまで来ていた。
愛穂はハンドガンで二体のティンダロスの猟犬に向かって発砲する。
マガジンが空になるまで発砲する。
それでもティンダロスの猟犬には全く通じない。
「くそ!!」
マガジンを入れ替えるが、その一瞬の隙に出口側のティンダロスの猟犬の一体が愛穂に襲い掛
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