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ソードアート・オンライン 蒼藍の剣閃 The Original Stories
ALO編 Running through to take her back in Alfheim
Chapter-11 不可避の現実
Story11-1 帰還と現実
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感じだったが、丁寧なケアのおかげなのか頬にわずかな赤みが差しているほど健康体に近かった。
体重は……もともと軽かったのか俺ほどには落ちてないようだ。
俺は体重が7kg落ちていたため戻すのが大変だった。
頭には濃紺のヘッドギアがある。
未だ彼女を仮想世界へと縛り付けたままの拘束具のインジケータLEDには青い輝きが3つ瞬いていた。
「桜華。俺、今日で君と同じ16才になったんだ。
本当は…………君に祝ってほしかったな…………」
あの声で、『おめでとう』って言ってほしい…………
俺は桜華の右手をそっと握ったあと、病室を出た。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
来た道を戻り、階段で1階まで降りて受付で通行パスを返すと、俺は自転車置き場へと向かった。
俺の自転車の隣には、『桐ヶ谷』のシールが貼ってあるマウンテンバイクがあった。
あいつも……ここに来てるのか。
愛用の自転車に鍵を差していると、俺の聞き慣れた声が聞こえた。
「マウンテンバイク…………どこに置いたっけ?」
その声の主は…………
「ここだぞ、キリト。
お前のマウンテンバイク」
キリトだった。
「サンキュー………………ってお前シャオンか!?」
「あ、バレた。
いかにも…………俺はシャオンだ」
「お前、なんでここに?」
「桜華…………フローラのとこに行ってたんだよ」
「そうか…………フローラも…………」
そこで正午を告げる鐘が鳴った。
「…………昼飯、一緒に食うか?」
「そうだな」
俺とキリトは並走しながら帰り道途中のそば屋に寄ることにした。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
埼玉県川越市の俺の家からわりと近いところに、俺が家族と一緒によく行ったそば屋があった。
俺がまだ幼かったころはここのそば屋に預けられていたために店長さんとは長いつきあいだ。
キリトもそこには何度か立ち寄ったことがあるらしく、俺たちは自転車を停めたあと店に入っていった。
「いらっしゃい! って聖音じゃねーか!」
「店長さんどーも」
「元気にしてたか?」
「元気も何もSAOから帰ってきてまだ1ヶ月半。
体は本調子じゃない」
「だよな……」
「一番奥、座るよ」
「あいよ」
一番奥の席に座り、メニューを手に取る。
「お前何にするー?」
「肉そばかな」
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