幼年期編
第7章
出会い―ブリテンの少女―
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「なぁ美琴、ブリテンってどこの事だ」
「イギリスの事ね、イギリスはグレートブリテン島を国土とする国だから」
「ふーん、そっか。確かに美琴に習った覚えはあるな」
当麻は美琴の答えに納得したという風に頷く。本当にどっちが年上かわからない状態だ(見た目は明らかに当麻が年上なのだが)。
ちなみに美琴の隣を歩く当麻は右手を美琴と左手を士郎とつなぐ形で歩いている。
四人の年齢差も相まって町を歩けば家族連れと見られること間違いなしの光景である。
そんなこんなで話しているとすぐに道場に着く。屋敷の敷地内であるのだから当然といえば当然の帰結である。
士郎は当麻の手を離すと道場の中に入り声をかけた。
「アルトリア、三人が到着したぞ」
道場の中心に正座をして座るのは十代半ばと思われる少女だった。
肩にかかるくらいの金糸の髪、白のブラウスに群青色の膝丈スカート、妖精と思ってしまえるくらいに整った容姿。
それだけならば消えてしまいそうな印象を受けるだろうが、少女が持つ存在感がそんな印象を欠片も感じさせなかった。
少女は士郎の呼びかけに振り返るとゆっくりとほほ笑んだ。
「すいません。もうそんな時間だったのですか。リン、お帰りなさい。それと…二人がミコトとトウマですね。はじめましてアルトリア・セイバーです。アルトリアとお呼びください」
流暢な日本語だ。彼女の容姿から考えると少々違和感が感じられるかもしれない。
だが美琴はその時、容姿だとか流暢な日本語だとかそういうものに一切驚いてられる余裕がなかった。
(なんて、量の力の塊なのよこの人は!)
美琴が驚いていたのは少女−アルトリアの存在そのものだ。
AIM拡散力場の超密度の集合体。美琴から見たアルトリアはそういう存在だった。要は能力者の能力が自我と質量をもってその場に存在しているような状態。
どうすればそんなことができるのか美琴には想像もできなかった。
いや、知識としてならば一応存在している。
魔術や教会方面の知識としてだが。―天使や神、そう言った存在をこの世に下ろす方法が一応魔術の中には存在する。現実的にはほぼ不可能だと思われるだが目の前にその実例と思われるものを見てしまうと信じざるを得ない。
「はい、上条当麻っていいます。こらからよろしくお願いします」
「あ、み、御坂美琴です。よろしくお願いします」
美琴は混乱の極致といった状態であったが、反射的に自己紹介を済ませる。
美琴の様子に少しいぶかしげにしながらもアルトリアは静かに微笑むと右手を差し出した。
「ええ、よろしくお願いします。美琴、当麻」
「はい、よろしくお願い
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