紅の十字架 そのE
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ボスとジョルノの幻想訪問記 第29話
紅の十字架E
あの後、ジョルノ・美鈴・妹紅は紅魔館を午前3時48分に脱出した。三人は中庭に来て誰もいないことを知り門の外にまで出る。
「レミリアお嬢様・・・・・・!?」
だが、そこにレミリアとフランドールの姿はなかった。まさか、まだ紅魔館の地下にいるのか? と、美鈴が気を探ると――――。
「――――!!」
明らかに美鈴の表情が一変する。まるで何か大切な人を亡くしたかのような・・・・・・。
「どうしたんですか美鈴さん・・・・・・?」
ジョルノは只ならぬ美鈴の様子を見て声をかけた。すると美鈴は
「・・・・・・お二人に咲夜さんとパチュリー様を任せます。すぐに戻ってくるので!」
と言って足早にまた紅魔館に戻っていった。
「ちょ、美鈴さん! 一人行動は危険だとあれほど!」
ジョルノは追いかけようとしたが、それを止めたのは妹紅だった。
「――――待てジョルノ。これ以上この件に首を突っ込んでも私は意味がないと思う」
「どうして止めるんですか妹紅!?」
妹紅は美鈴が走り去っていくのを見て
「・・・・・・薄々気が付いていたが・・・・・・ここにいるのはパチュリーと咲夜。そして今走っていったのが美鈴。来るときに中庭で会ったのがレミリアだ。・・・・・・私が把握している限りでは紅魔館のメンバーは後二人。パチュリーの使い魔である小悪魔とレミリアの妹のフランドールだ」
「・・・・・・」
「そして今思えば私がレミリアの部屋で燃やした敵の鳴き声。あれが小悪魔の口癖と『ほぼ一致』していた。考えたくはないが、おそらく小悪魔はゾンビにされたんだろう」
「・・・・・・それで、どうしたんですか?」
ジョルノは妹紅に語調を強めて言う。
「私たちが最初にここに来たとき、血だまりがあった・・・・・・。最初は誰のものか分からなかったし、後も妖精メイドのものかと思っていたが美鈴の言うことを信じるなら全員が厨房でゾンビ化。だったらもうあの血だまりはあと一人、フランドール・スカーレットのものだった可能性が高い」
「・・・・・・既に当初の目標である吸血鬼が死んでいる、ということですか?」
妹紅はその確認の意味を含む問いかけに頷く。
「そうだ、だからもうフランドールを屈服させることは不可能だし、これ以上紅魔館に干渉するメリットはほとんど無い。そもそも美鈴を追いかけてレミリアに出くわして見ろ。今度こそ攻撃されるぞ」
妹紅は大体予想が付いていた。もうフランドールが死んでいること、そしておそらくレミリアもそのことを知っている。そんな状況のレミリアが正気なわけがないのだ。
「いいか、私たちにとって一番『危険』なのは
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