紅の十字架 そのE
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ら『魔理沙に纏わること以外が全て消失』した。
「あ、・・・・・・魔理沙? 魔理沙・・・・・・?」
そして私の『言葉も固定された』。魔理沙という単語しか話せなくなっていた。まるで全てが魔理沙の思い通りの世界だ。
「そう、そうだぜアリス。・・・・・・アリスが私にしたように・・・・・・今度は私がアリスを・・・・・・」
魔理沙が私の体をそっと抱いた。だが、その感覚ももはや分からなくなっていた。視界には魔理沙しかいない。耳に聞こえるのは魔理沙の声だけだ。触れているものは魔理沙の体だけ。
「・・・・・・魔理沙、魔理沙、魔理沙・・・・・・」
私はただうわ言のように繰り返すだけだった。それしか出来ない。魔理沙以外、何もない。
「・・・・・・魔理沙・・・・・・魔理沙・・・・・・魔理沙」
・・・・・・魔理沙。魔理沙、魔理沙、魔理沙・・・・・・。
* * *
午前7時。ジョルノ・ジョバァーナ、藤原妹紅は無事永遠亭に帰還した。また、行方不明だったヴィネガー・ドッピオや紅魔館の生き残りの住人達も引き連れていた。
レミリア・スカーレットの最期を見届けた紅美鈴は十六夜咲夜を抱えて永遠亭に。ジョルノはドッピオを、妹紅はパチュリーをそれぞれ抱えていた。
「・・・・・・美鈴、今後どうするんだ? お前達」
妹紅は帰り道の途中で美鈴に尋ねた。
「・・・・・・さぁ、私にはもう守るべき門は無いですからね・・・・・・」
美鈴は暗くトーンを落とした声で空しそうに呟いた。それを見ていたジョルノは妹紅を小突く。
「痛い! 何すんだよジョルノてめぇ」
「あなたには神経が通ってないんですか? 今そんなこと彼女に聞くとか、アホですよね」
「何だと誰が・・・・・・」
と、妹紅は言い返そうとしたが流石に自分でも不謹慎だと思ったのだろう。言葉を飲み込んで口を噤んだ。
「・・・・・・お二人次第です。咲夜さんと、パチュリー様の」
美鈴は笑おうと努力をしているが、眼には悲しみの色が強く残っていた。
「・・・・・・」
ちなみに、とりあえず怪我人保護施設でもある永遠亭で十六夜咲夜とパチュリー・ノーレッジは一旦預けられる。だが、それもその場しのぎにしかならない。
「・・・・・・怪我を直すことが最優先ですよ。体も、心も癒えるまではいつまでも家にいて大丈夫です」
ジョルノはそう答えた。いつお前の家になったんだ、と妹紅は言いたかったがやめる。そういう雰囲気ではない。
「ありがとうございますジョルノさん」
美鈴は素直に礼を言った。ジョルノや妹紅にとっては驚異だったスカーレット姉妹だが、美鈴にとっては掛け替えのない
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