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ボスとジョルノの幻想訪問記
紅の十字架 そのE
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わ。もう助からないってのはそういう意味よ」

 レミリアの血で出来た体はドロドロとどんどん崩れていく。レミリアにも透明化が始まっている影響なのか、それとももう死が避けられない運命だからか。

「じゃ、じゃあ爆破するっていうのは・・・・・・御自分ごと敵をッ!?」

「そうよ。後20秒。いいから早く行きなさい!!」

 レミリアのこれ以上犠牲者が出ないための決断だ。美鈴はそれを無碍に出来なかった。頬からはいつの間にか涙が流れていた。

 ばっ!

「お、お嬢様・・・・・・!」

 美鈴はその場に片膝を着いて頭を下げた。最期の忠誠を示すためだ。それを見たレミリアは満足げに頷いて。

「・・・・・・最期に、生きて咲夜に伝えなさい」

 おし黙った美鈴にレミリアは優しく声をかけた。

「心から幸せを願ってるわ、って」

「・・・・・・っ!! か、な、必ずッ!!!」

 後15秒。美鈴は涙を堪えきれず、大量の滴をこぼしてその場を後にした。



 あと10秒。ほとんど動かない体を『キラークイーン』に無理矢理引きずらせて、レミリアはある方向に向かっていく。それはシアーハートアタックが向かっていった場所。

 フランドールの人形がいるはずだ。

 後5秒。ようやくレミリアはフランドールの元にたどり着いた。残った左腕でフランドールを抱いて瞼を閉じる。

 冷たい。だけど妹の体だ。分かる、私には分かる。ほとんど感触はないけど、魂の痕跡がある。

「・・・・・・」

 レミリアはフランドールを抱きながら思った。

 もう一度、もう一度、あなたと、あなたと私だけの世界で会話がしたい。


 ――――1分。

*   *   *

 爆発の瞬間、美鈴はぎりぎりで紅魔館の正面扉から転がり出た。

 凄まじい爆風と共に美鈴は一気に正門まで弾きとばされる。だが妖怪である彼女は身体面ではかなり丈夫だ。正門に頭こそぶつけたが大した怪我ではない。

 そこに丁度ジョルノと妹紅もいた。

「――――美鈴!?」

「この爆発は何なんですか!?」

 突然の爆音に驚いたジョルノと妹紅だったが直後に美鈴が飛んできたものだから更に驚く。二人は早口に美鈴に尋ねた。――――美鈴の眼からは涙が流れている。美鈴は紅魔館の方を見て声を上げる。

「お、お嬢様・・・・・・妹様・・・・・・ッ!! う、うわああああああああ〜〜〜〜〜〜ッッ!!」

「・・・・・・美鈴」

 妹紅とジョルノは全てを察した。でなければ美鈴がこんなに取り乱すことはない。二人は今もなお爆音が続く紅魔館を見た。炎があがっている。深い赤色、深紅の炎が立ち上っている。

「うううう〜〜〜〜・・・・・・わぁああああああああ・・
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